両者は昨年3月21日にも対戦している。ちょっとその試合を振り返ってみよう。
この日よほどコンディションに自信があったのか?鮎川選手が1Rから得意の左ストレート、右フックをガンガン打ちまくる。
明らかにKOを狙っている。しかし木嶋選手の固いガードに阻まれ、クリーンなヒットは打たせてもらえない。
反対に、打ち気が強いせいかディフェンスにはあまり気の行かない鮎川選手に、木嶋選手のパンチは軽いながらもよくヒット。
59-57、59-58、58-57、3-0の採点でで木嶋選手が判定勝ちした。
この試合の後、両者はその年のB級トーナメントに出場し、準決勝戦で木嶋選手がヨネクラジムの森川選手と引き分けたものの、
優勢点で決勝進出はならなかった。
反対のブロックを勝ち進んだ鮎川選手は、ライバルの出ない決勝戦は当然のようにKO勝ちで優勝。
しかし、両者ともトーナメント後の試合で、木嶋選手は12月9日、帝拳の池森選手に、
鮎川選手は、翌年3月19日、F原田の大沼選手に、それぞれKO負けを喫してしまう。
そういう経緯を経て今年のA級トーナメントに出場した両者、奇しくもまた違うブロックでのエントリーとなった。
木嶋選手は、6月5日にマングース鈴木(青木)選手を判定で、8月30日には佐藤幸次(三迫)選手を最終回TKOで退け、
対する鮎川選手は、6月13日に同じサウスポーの田中 潤(ワタナベ)選手を、
8月31日には99年度の全日本新人王、飯村正博(角海老宝石勝又)選手をそれぞれ最終回TKOに退けての決勝進出となった。
1R、前回と違い、ガムシャラに左ストレート・右フックを打ちまくる。という事はせず、あくまでもジャブから崩していき、
隙あらば左ストレートをボディに、またはアッパーで顔面に、という感じの鮎川選手に対し、
反対に木嶋選手の方が今回はやや積極的に手を出したきた。しかし鮎川選手、ジャブでリズムと距離をとっている分、
前回よりは木嶋選手のブローを貰わないでいられた。
2R、少し鮎川選手のテンポがアップ。左アッパー、ボディストレート、右フックなどを小気味よくくりだし、そこそこのヒット数を稼ぐ。
3R、相変わらず鮎川選手がテンポよくパンチを繰り出すが、木嶋選手、マトモには貰わない。鮎川選手、カラ振りも目立ちだしてきた。
4R、やや劣勢に傾き始めたのを感じ取ったのか?鮎川選手がペースを引き戻そうと相手にダメージを与えに行こうとする。
すなわち、得意の左ストレートを顔面に叩き込もうとするのだが、巧みな木嶋選手にかわされる。
5R、リズムを立て直そうとしているのか鮎川選手、少し手数を抑えていたがその分、木嶋選手の攻勢を許してしまった。
6R、鮎川選手の右フックや左ボディなどがヒットし小さなチャンスは作るのだけど、それを大きく広げることが出来ない。
強かな木嶋選手は後続のパンチを巧みに外しきった。しかし、このRは久々に鮎川の攻勢が目立った。
7R、開始早々、低い姿勢で懐に入ろうとした木嶋選手の頭が鮎川選手の眉の辺りに当たる。ちょっとヤな顔をしてレフェリーに注意を即したが、
この場は何事もなくすぐに気を取り直して試合は続けられた。しかし、すぐに鮎川選手の右目の上から出血が認められ
ドクターの診断を受ける。この時は問題なしとして試合は再開されたが、
木嶋選手の頭が再三鮎川選手の傷に当たり出血が激しくなってしまい、
2度目のドクターチェックで試合はSTOP。この回までの採点に勝敗は委ねられた。
68-66、69-66、67-66、3-0の採点で木嶋選手の手が上がり、鮎川選手のリベンジはならなかった。
鮎川選手にしてみれば前のRからペースを取り戻しつつあり、最近の試合で最終回のKO勝ちを多く演じているので
途中で止まってしまったのは非常に残念だろう。
ところでこの試合、木嶋選手に強く“リベンジしたい”と思う、とあるA級ボクサーが、
リングサイドから熱い、獣のような視線を送っていたのを付け加えておこう。 |