「 太っちょ先生の挑戦 」

 

先日 ラジオで聞いた話を書きます。不覚にも聞いていて涙が溢れてきてしまった。なぜか 最近涙腺が緩んでしまってきてる。歳のせいかな?(照)

とある全校生徒36人の小さな小学校の運動会での出来事。
100m競走、ダンス、綱引き、障害物競走。。。
プログラムも無事進んでいき いよいよ最後の全校生徒による「マスゲーム」。
ちょっと太っちょ先生の笛の音を合図に 1年生の小さな児童も 6年生のちと太目の児童も綺麗に演技してる。
まずは バラバラの状態から 「3人集合!」 「6人集合!」を先生の笛の「ピッ!」を合図に俊敏に移動しては座る。
次に いよいよ 組み体操で 3人集まっての「扇」「橋」「サボテン」5人集まっての「扇」「橋」をと 普段とはうって変わって無駄話をせずに見事に決めていく。
その姿に圧倒されるかのように 会場には「ピーン」とした空気が流れる。
最初は 拍手も温かみを感じるような「パチパチ」だったのが、次第に音が変わってきた。。
拍手のタイミングが 次第に遅くなってくる。先に 驚きを感じているようだった。
演技も最終段階に入ってきた。「ピラミッド」。

先生の笛を合図に最初は3人で2段。6人で3段、10人で4段。
みんな 無言で1年生の女の子も 6年生の男の子も悲鳴も上げずに黙々とこなしていく。
そして 最後の15人による5段ピラミッド。
大きな子を一番下にして段々と積みあがっていく。周りのみんなも上がりやすいようにサポートしている。
先生の笛を合図に1段 1段と積みあがっていき見事に5段のピラミッドが出来上がった。
会場からは割れんばかりの拍手喝采が起こり大騒ぎの状態。

最初はその歓声に消されて先生の笛の合図が聞こえないと思ったが、、、
ところがその先生は 笛を吹いていなかった・・・・と言うより 吹けないで居た。。
なんと 壇上の上で 泣いていたのだ。。その姿を見て今度は会場から もらい泣きのすすり声が聞こえ始めた。。
実は 先生はこの「マスゲーム」をするに当たって相当の苦労を重ねていたのだった。
周りの先生からは「そんな無理なプログラムは無理だから止めるように」「私は自分のクラスの生徒は参加させません」とか。。
でも その太っちょ先生は

「児童たちの思い出に残る運動会をしたい。 全校生徒が、ひとつになれるモノをやりたい。責任は全部 私が持つからやらして欲しい。」
と、他の先生たちを説得してこの運動会に望んでいた。
案の定 練習を始めてから 嫌がる児童、泣き出す児童が現れる。親からも学校に文句の電話が入りだす。
そのたびに 太っちょ先生は 夜 児童の家に行っては なんとか続けたいと訴える日々が続いた。
最初は冷ややかにみていた周りの人たちも その姿をみているうちに次第に引き込まれていった。
そんなこんなで迎えた「15人ピラミッド」。会場みんなが祈る思いで見守っていた。
「せんせぇ〜」の児童の声で我にもどった太っちょ先生の笛が鳴り 「マスゲーム」は終了した。

後日 職員室の電話が鳴った。父兄からの電話だった。
「先日の運動会ご苦労様でした。うちの子は6年生ですが、今まで運動会には出たくないと言い続けていました。
太っているから走るのは苦手でいつもビリだから出たくない。でも今年の運動会は違っていました。
『ぼくが休むとピラミッドが出来ないから行かないとみんなが困るから絶対に行くんだ。』
体中アザと擦り傷だらけでしたが、結局最後までやり遂げました。あんな子を見たのは初めてでした。
今までは途中で諦めることが多かった子がやり遂げることが出来ました。また 何事にも挑戦する気が起こったみたいです。
責任感と達成感ですかね、こどもが一回り大きくなったような気がします。これも全てあの「ピラミッド」のおかげだと思っています。本当にありがとうございました。宜しくお使えください。」

さて 太っちょ先生の本当の目的はなんだったんでしょうね?

( 多少の脚色をつけています、、、あしからず (笑)