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 タイトル 「蛍狩り」 (古谷雄一さん/リリカルバイオレンスファンタジー?/完結)
 掲載HP こんとん図書館
 おすすめ度 ★★   作品の特徴 後を引く奇妙な味わい
 印象深い一文 人差し指と中指をクロスした魔除けのサイン「えんがちょ」
 年に一度、一人二体まで蛍を狩ることが許される蛍狩りの夜。俺は、浴衣、草履、手に団扇という出で立ちになると、畔に向かって滑り出した――。

 なんとも奇妙な味わいの一編です。日本情緒溢れる描写からはじまるこの物語は、少しすると突然どこかサイバーパンク的な匂いを放つ世界へと突入します。改行を多く用いた詩的な表現や、突拍子もないアイテムの数々もあいまって、物語はどんどん奇妙な色彩を強めていきます。最後まで読んでも結局この物語はなんだったのか、いまいち把握できません。

 ところが、です。この物語、妙に後を引くんです。わけのわからない物語なんですが、妙に印象に残るんですよね。「依り代」「つむがりの鎌」「百姓衆」の説明のところなどは、思わずにやりとしてしまいます。はっきり言ってしまえば、私はこういう突拍子もない世界観が好きなんです(笑)。ラスト三行で、「そうか、○なのか」と、なんとなく納得させられてしまいます。

 「ありきたりな設定にはもう飽きた」という方には、一服の清涼剤となるかもしれません。(00/10/13 さと)




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