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 タイトル 「街の記憶」 (kouさん/ハードボイルド/連載中)
 掲載HP NET DIVE
 おすすめ度 ★★   作品の特徴 これぞハードボイルド
 印象深い一文 「俺の命は、生憎予約済みなんだ」 by 美和冬弥
 美和冬弥と近藤武弘という二人のキャラクターの視点が交互に繰り返されることで物語は進行していきます。

 内容は、主人公の冬弥がふとしたきっかけから組が関わる事件に巻き込まれていくというもの。ハードボイルドの常道ですね。藤原伊織さんの『テロリストのパラソル』なんかも確か最初はこんな感じでした。私は個人的に、ハードボイルドというジャンルはその冷徹な文章が織り成す雰囲気が一番重要な要素であると考えています。そして、同時にそれは一番難しい作業であるとも思います。一歩間違えると、ただの嫌味な文章になりかねないからです。その点からいくと、この作品はその「雰囲気を織り成す」という一番難解な作業に成功しています。主人公の美和冬弥というキャラクターも、嫌味に陥ることなくいい味を出しています。

 ですが、一方で短所が二つ目に付きました。一つ目は、第二部の武弘のパートでご都合主義が多少鼻につくこと。キャラクター自身が「うまくいきすぎている」と作中で繰り返していますが、まさにそのとおりだと感じました。二つ目は、文章の不備が目立つこと。誤字・脱字。文章のつながりの違和感。これらがストーリーの足を大きく引っ張っています。一つ一つの文章はいいだけに、非常にもったいなく感じました。「非常に惜しい作品」というのが率直な感想です。改良を加えた上で、ぜひたくさんの人に読んでもらいたいところです。

 それにしても、ファンタジーが圧倒的に多いオンライン小説界において、こんな渋くてかっこいいハードボイルドが書ける方は非常に貴重ですね。今後が楽しみです。(00/05/06 さと)




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