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 タイトル 「雨の日」 (Taoさん/現代小説/完結)
 掲載HP 東風の吹く峡谷にて
 おすすめ度 ★★   作品の特徴 静寂と平穏の物語
 印象深い一文 帰ろう。
 塚本美香が図書室でレポートの資料集めをしていると、外で雨が降りはじめた。傘は持っていない。昇降口のところでぼんやりとしていると、そこに級友の桐ヶ谷勤がやってきて――。

 静寂と平穏の物語、という言葉が思い浮かぶ現代小説短編です。とある雨の日の出来事が押さえた筆致で淡々と描かれていて、読んでいる間ずっと、耳元で静かな雨音が響いているような錯覚を覚えました。その物語の振幅の穏やかさは、要所要所に繰り返し挿入されている「帰ろう」「ざあ、ざあという音」という二つの言葉によってさらに助長され、日常感、静寂感とでもいうべき雰囲気を醸し出しています。どこか余韻を残す文体も、物語によくフィットしています。仕事で疲れたときに読むことをおすすめします(笑)。それと、「雨の日に外に出て思いっきり濡れてみたい」なんてことを一度でも考えたことがある人ならば、より強く共感できるでしょう。

 ただ薄味とも取れることは否めませんので、よりわかりやすいエンターテイメント的要素を求める方にとっては物足りないかもしれません。(00/11/20 さと)




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