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Reviews オンライン小説の紹介 |
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タイトル 「異端者」 (すももさん/近未来SF/完結) |
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掲載HP SUNSET |
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おすすめ度 ★★★ 作品の特徴 優生思想への警鐘 |
| 印象深い一文 「貴方は、変えてくれる?」 |
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21世紀後半、人々は妊娠時の受精卵点検によって、国の負担となる先天性障害者を事前に排除していた。監視の目をすり抜けて生まれてきた障害者の子供は強制的に施設に収容し、強い差別観のもと人間として扱わなかった。主人公の「私」も障害者を蔑視する一人。だが貧民街で青い瞳を持つ少年と出会ったことから、「私」の中でなにかが変わりはじめる――。 オンライン小説には珍しく、テーマ性を強く前面に押し出した作品です。優生思想(悪い遺伝的形質を除き、良い遺伝的形質を残そうとする思想)問題を、倫理面・感情面から描いています。主人公と少年の交流および心情の変化に的を絞ることで、シンプルでわかりやすい、読者の心にまっすぐに訴えかける物語となっています。 ただ私的には二箇所ほど首をひねる描写がありました。設定と物語の矛盾とでも言えばいいでしょうか。これに関してはネタばれを含みますので、興味のある方は下をどうぞ。 しかし全体的に見れば、読者になにかを考えさせる力がある良質のSF作品だと思います。蛇足になりますが、優生思想に基づく社会に興味がある方はハックスリー『すばらしい新世界』とオーウェル『一九八四年』をどうぞ。といっても私も未読なのですが(^^;)。読んだ方いましたら感想と入手方法を教えてください(爆)。(00/07/09 さと) さいやさんから以下のようなご指摘をいただきました(掲示板の書き込みより一部抜粋)。 さとさんのレビューを見て読んできたんだけど…まあその通りって感じですか……。ごめんなさい…なのか? でも……表現力の素晴らしさをもう少しレビューで載せても良いのではないかと……。ちょっとした描写が主役格の二人の心理をうまく表現してると思うし…。★みっつはともかくとして(それは納得)雰囲気を出すうまさがあるってレビューをしてもいいのではないかと……。この文章、気に入らなければ削除してください。(00/07/11 さいやさん) 以下ネタバレあり批評。興味の有る方は、本編読了後、文字を反転させてご覧ください。 ↓↓↓ ここから ↓↓↓ 物語を読み進めていくと、少年が以前人体実験のサンプルであったこと、その積み重ねにより身体がぼろぼろになり、サンプルとして役に立たなくなったために施設に送り返されそうになったこと、また心臓の疾患を抱えた少女がそれゆえに人体実験のサンプルになることから免れたとことなどが語られます。私はこれらの記述が『異端者』の世界観とその「小説内リアリティ」にそぐわないように感じました。 何故なら、人体実験はそんなに甘くはないと感じるからです。以下は可能性の問題ですが、もしも現代において法的・倫理的な制約を受けずに自由に利用できる脳死体があったとしたら、人体実験はどのようなレベルまで行われるでしょうか。まず心臓病やがんなどの病気を抱えている実験体は特に絶好のサンプルとなります。それら難病に対する治療実験が行えるだけでなく、その病気にかかわる組織や遺伝子を採取できますし、特殊なホルモンや抗体の生きた製造工場としても利用できるからです。同じように特殊な血液型の実験体は、希少な血液製剤の生きた製造工場になります。上の条件に合わなくても、病原性のウイルスや細菌などを意図的に付与し、その治療実験を行うことができます。最終的には心臓、肝臓、腎臓などの各臓器から脳、眼球、皮膚、骨髄、血液、細胞、遺伝子にいたるまで、すべて貴重な「資源」として「有効利用」されるのではないでしょうか。現代においてすら、です。 まして障害者が人間として認められていない『異端者』の作品世界において、少々身体がぼろぼろになったからといって、人体実験が停止されるとは考えにくいのです。サンプルは上記のような(あるいはさらに想像したくないレベルの)扱いを受けるのではないかと思われます。いつの時代になっても研究者の学術的興味とデータに対する欲求は尽きることがないのですから。 ↑↑↑ ここまで ↑↑↑ |
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