「美貌の果実」

白泉社文庫『美貌の果実』より。2000年第19刷、定価524円。
掲載作品・・・「愚者の楽園」「大地の貴族」「美貌の果実」「架空の森」「森には真理が落ちている」「パセリを摘みに」の計6作品。

あらすじ

小さなブドウ農家兼ワイン醸造所、秋月ワイナリー。今まではつつましくも細々と商いをしていたが、ひょんなことからマスコミに取り上げられて大忙しに。その最中父親と兄がそろって事故で亡くなってしまい、残された秋月菜苗と母親は途方にくれていた。
そんなとき「葡萄野精」と名乗る人物がお手伝いとしてやってきて、ブドウを自由自在に操る不思議な力で大活躍。実は、秋月家で代々大切に育てられた葡萄の木の精霊が恩返しにやってきたのが「葡萄野精(通称精さん)」の正体だったのだ。

ある日菜苗は迷子になっていた七実という子供と出会い、2人はすぐに仲良しになる。七実の父親都築貴英は大手酒販メーカーのリーベル・ワイナリー社長なのだが、それがきっかけで秋月家に頻繁に出入りするようになる。最初は商売絡みだったのだが、秋月母娘と精さんの魅力に惹かれていつしか家族同然の付き合いをするようになった都築父娘。5人の奇妙な蜜月の期間はいつまでも続くように思えた。
しかし、ある日七実が行方不明になってしまう。。。


★これまた心にじ〜んと来る名作ですね。なんつっても精しゃんのキャラの良さと七実ちゃんの可愛らしさ!この二人の魅力に尽きますですね。会話のセリフ回しも絶妙で、か〜ら節全開!菜苗や母親と精さんとの会話なんて、すっとぼけていて大笑いであります。(^O^)
川原さんの漫画、初期はまだ少女漫画っぽいんですがだんだんとおとぼけタッチのシンプルな絵が多くなっていって遂にはリアル絵がほとんどなくなっちゃう。それに比例して作品の質が高くなって行くような気がします。シンプルなのに琴線に触れるこの感覚って、童話や民話、あるいは星新一のショートショートなんかに近いものがあるような気がするんですよね。

この作品集、総じて質が高くて駄作なしの傑作ぞろいです。川原泉の入門編には、作品の質にばらつきがある「フロイト1/2」よりもこちらのほうをオススメいたしますよん。
(2001/11/1)

 

 

 

 


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