★ザ・チーフタンズ  from Ireland
「アイルランドの至宝」が贈る、とびきり楽しいアイリッシュ・ナイト!

●日時
・2001年5月20日(日)

●場所
・Shibuya-AX(東京都渋谷区)

●登場アーティスト
・The Chieftains/ザ・チーフタンズ
他、矢野顕子、古謝美佐子など参加アーティスト多数。


やー、これほど楽しくこれほど盛り上がったライヴは初めてでした。なんちゅーか、ライヴというよりお祭りに近い熱気でしたねー。感動うるうるのルネッサンス、しみじみ聴き惚れたカテリーナ、凄絶なステージに息を呑んだ友川かずき、それらとはまた違った意味で素晴らしいライヴでありました。(^ ^)

ご存知ないかたのために軽く説明をしますが、チーフタンズは40年近く活動を続けているアイルランドの超ベテランバンド。デビュー・アルバムは63年ですからビートルズより早いですね。当時は家庭やパブでしか演奏されなかった地味〜なアイリッシュ・トラッドをメジャーなものにするために先駆者・牽引車として地味〜で精力的な活動を続け、70年代後半にようやく欧米、日本でも注目を集めはじめ、80年代にようやくブレイク、90年代にはグラミー賞を数回受賞、「アイルランドの至宝」とさえ賞賛されるようになります。あまたのミュージシャンとの交流を持ちつつ現在でも現役バリバリで活動中。現在のアイリッシュ・トラッドの全盛は彼ら抜きには考えられません。

メンバーは、リーダーのパディ・モローニ(イーリアン・パイプ、ティン・ホイッスル)を中心にマット・モロイ(フルート、ティン・ホイッスル)、マーティン・フェイ(フィドル。病気のため今回は参加せず)、ショーン・キーン(フィドル)、デレク・ベル(アイリッシュ・ハープ、ピアノ、オーボエ他)、ケヴィン・コネフ(バウロン、リードヴォーカル)、の6人。

仕事が長引いたのと道に迷ったのとで、会場入りは開演30分後でした。。。とほほ。(T_T) すでに場内熱気むんむんで、アイリッシュ・ダンス・チューンにあわせて手拍子しながら観客皆ノリノリであります。ひやあ、客層が若い〜!おぢさんおばさんが大半かと思いきや、10代、20代が中心、おまけに女性客が多くて驚きでした。こ、これは一体ナニゴト!?とか思ってるうちに早くも休憩時間。


第二部が始まり、のっけからドライヴ感溢れるダンス・チューン!男女4名のダンサーが現われてユーモラスでゴゲンなアイリッシュ・ダンスを披露してくれて大喝采。
このライヴはリールやジグなどのダンス・チューンがほとんどで、観客みんな体を揺らせてノリまくり、グルーヴ感溢れるゴキゲンなライヴでした♪

次に紹介があり、大きな歓声に包まれて登場したのはゲストの矢野顕子。相も変らぬ素敵な美声で、「SAKE In The Jar」(99年の「Tears Of Stones」に参加して歌った曲)を披露すると割れんばかりの大歓声。む〜、やっぱこの人のヴォーカルは良いな〜。幾つなのかはもごもごだけど、年齢というものを全く感じさせない瑞々しい声ですね〜。
次に紹介があって登場したのは・・・なんと、元ネーネーズのVo.古謝美佐子(こじゃみさこ)!な、なんであなたがここにいるんスか!?(ゲスト出演の名前は矢野顕子しかクレジットされていなかったのよん) 三線を持ち、あの素晴らしい声で沖縄民謡を歌ってくれました。しっかし、まさかチーフタンズのバックで沖縄民謡を聴けるとは・・・びっくり。アイリッシュ・トラッドと琉球トラッドって意外に相性が良いのかもしれん、などと思いましたね〜。
お次は二人のツイン・ヴォーカルまで披露してくれました。矢野さんが英語で、古謝さんが沖縄方言で歌うという異色曲。バラッド調の曲を交互に歌った後、最後に矢野さんの美しいスキャットと古謝さんの琉球節とが絡みあうさまは、も〜うるうるするほどの絶品でした。(;_;)

なぜかクレジット外のゲストが大勢登場したこのライヴ、お次はカナダの新進ギタリストもにょもにょサン(ああっ、名前を忘れたっ)。相棒とともにアコースティック・ギターの超早弾きで聴衆の度肝を抜きます。演奏後、大歓声!
お次のゲストはアイルランドはダブリンの女性ヴォーカリスト・イヴォンヌさん。うっとりするような美しい歌声を聴かせてくれたのですが、私は残念ながらこの人知らないのです。誰かご存知でしょうか?
他にもドラムで一人、フィドルで一人(今回参加していないマーティンさんの代役を勤めた)だから・・・えーっと、ダンサーも含めてゲストの総勢11人!こりゃもうお祭りですな。(^O^)

話はちょっとそれますが、チーフタンズの人脈の広さは尋常ではありません。アルバムで共演したミュージシャンを有名どころだけざっと挙げただけでも、ヴァン・モリスン、シンニード・オコナー、コアーズ、ロレーナ・マッケニット、ミジャドイロ、R・ストーンズ、スティング、ライ・クーダー、トム・ジョーンズ、マリアンヌ・フェイスフル、ニッティ・グリッティ・ダート・バンドetc.「なるほどね」という人達から「えっ!?」という人達まで多種多彩。トラッドはもちろんロック、ポップス、カントリー、クラシック、ジャズ、実に広いジャンルのミュージシャンと共演しています。メンバー個人レベルになると、ゲイリー・ムーアやマイク・オールドフィールド、P・マッカートニー、スティービー・ワンダーなどのアルバムにも参加しているし、マット・モロイはボシー・バンドやプランクシティの元メンバーだし。
・・・なんでこんなに広い人脈を持っているのか、その理由が今回のライヴでちょっとだけわかったような気がします。彼らは確かに歴史も名声も充分すぎるほど有る大ベテランなんですが、保守的なところがまるで感じられないのですね。実に柔軟で遊び心たっぷりの、「こうじゃなくてはいけない」というより「こういうのもアリだよね」というスタイル。もう音楽が好きで好きで好きでしょ〜がないんだよほほん、というのが直に伝わってくるのです。色々な個性を持ったアーティストと一緒にやるのが単に楽しくてしょうがないのでしょう。いや〜、こういう人達、大好きです。(^。^)

さて、イヴォンヌさんのヴォーカルでガリシア(ケルト文化が色濃く残るスペインの一地方)の軽快でどこか切なげなトラッドを披露した後、またもやダンス・チューンへ。む、こりゃアルタンも取り上げていた曲だぞ。うひ〜、体が勝手に動いてしまうほどのドライヴ感!キモチイイ〜!(>_<)

そしてゲストも全員登場してのラスト曲は、「ケルティック・ウェディング」収録の「メドレー」中のアップ・テンポな曲をベースに、各メンバーがそれぞれの楽器のソロを披露するというもの。ユーモア満載の実に楽しい即興演奏のオン・パレードで、腹抱えて笑ってしまったシーンもたびたびでした。(^O^) 一人がソロを終えるたびにやんややんやの大喝采。メンバーのソロが一通り終わると今度はゲスト一人一人にソロがふられたんですが、明らかに彼らには打合せしていなかったらしく(絶対ワザとだ!)、みんな「き、聞いてないよ〜」みたいな顔をしてアドリヴでソロをしていたのが面白かった♪ 最初にふられた古謝さんは、パディ・モロニーさん(この人はホントにおもろいおっちゃんや〜)にいきなりステージ中央に引っ張り出されて「???」状態。しかしさすがにプロ、手拍子とまったくあわない沖縄民謡を朗々と歌い上げて聴衆を感嘆させてくれました。次の矢野さんはピアノの弾き語りで自分の持ち歌を披露。イヴォンヌさんは美声を、ドラマーは軽快なドラム・ソロを、カナダのギタリストは会場も静まり返るほどの超絶技巧を、それぞれ披露してくれました。もう完全にお祭り状態♪
ゲストがアドリヴでソロをやっている間、手を休めたチーフタンズのおっちゃん達は「お手並み拝見〜♪」てな感じでにやにやしながら見守っているんですが、なんつーか、ありゃ単なるいたずら好きのワルガキにしか見えませんな。(^_^;) 楽しい人達や〜。

おそらく30分以上は続いたこのハイライトも終わり全員が引っ込みましたが、割れんばかりの手拍子と歓声に応えてアンコール曲。またもやノリノリのリールで、ツイン・フィドルが冴え渡る凄い曲!そして最後の挨拶をして大歓声の中去っていく6人のメンバー。。。
しかし興奮さめやらない場内には、一縷の望みにかけてアンコールの手拍子と歓声とが鳴り止みません。あぁしかし、皆を現実に引き戻すあの冷たい声が・・・「本日の公演は全て終了いたしました。どなたさまもお忘れ物のないようにお帰りくださいませ。本日はまことにありがとうございました」(場内ため息)そして明かりが付いて・・・おおっ!?だ、誰も帰らん・・・手拍子も鳴り止むどころかどんどん強くなっていくぞ。皆の気持ちがビシバシ伝わってきます。うんうん、もっと聴きたいよなぁ。あと1曲でもいいから。あぁしかし、あまりのしつこさに業を煮やしたのかなんかトゲトゲしい2回目の放送が・・・「本日のっ、公演はっ、全て終了いたしましたっ・・・」(場内失笑とブーイング)・・・おおおっ!?て、手拍子が鳴り止まないぞ。さすがに諦めて帰る人もいたけど、9割くらいは帰ろうとする素振りもなし。どひ〜、どーなっちゃうの?ここまできたら曲は無理だとしても顔くらい出してくれるかも〜とかすかに期待しながら私も手拍子、手拍子!ずい分経って「3回目の放送はマジギレだろうなー」とか思っていると、突如大きなどよめきが!なんと、チーフタンズの6人が登場してくれたではありませんか!しかも楽器を持ってるゾ。まさか・・・と思ったらそのまさか、掟破りの再アンコ〜〜〜ルッ!!しかも2曲も!!
んもう大感動でありました。(T_T) 曲もですが、何より彼らの誠実さ、ファンを大切に思ってくれる心栄えに感激したのです。
それは皆も同じだったようで、最後の大歓声・大拍手の後は、皆満足しきった表情でおとなし〜く帰ったのでした。(^ ^) 放送係のお姉さんもさぞかしホッとしたことでありましょう。

会場出口あたりで、真剣な面持ちでアンケート用紙に書き込む大勢の若者の姿を見て、なんだか感無量でしたね。同時にチーフタンズの凄さというものをしみじみ感じたのであります。。。

 

 

 

 


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