●プロコフィエフやショスタコーヴィッチらとともにソビエト楽壇を代表する現代作曲家(1903〜1978年)。アルメニア共和国のチフリスで生まれ、モスクワ音楽院に学ぶ。一時はソ連共産党の現代音楽批判の対象にされたが後に名誉を回復された。
その音楽の特徴としては、不協和音と伝統的技法の巧みな活用、多彩なオーケストレーション、アルメニアやコーカサス地方の民族音楽を取りこんだ民族的・東洋的要素、叙情性と野性味の対照、などが一般的によくあげられる。
「剣の舞」を含むバレエ組曲「ガイーヌ」(1942年)や、1959年にレーニン賞を受賞したバレエ音楽の「スパルタクス」(1956年)などが特に有名。
(2001/11/7)
"The
Gayaneh Ballet"/「ガイーヌ」(1942年作曲)
ロリス・チェクナヴァリアン指揮:
ナショナル・フィルハーモニー管弦楽団(1976年録音)

↑指揮者のチェクナヴァリアンはハチャトゥリアンと同じアルメニア人。彼は「ガイーヌ」の原典版を初めて全曲演奏した方で、その時の録音をCD化したものがこれだそうな。


↑曲目。なんか踊ってばっかりだ。^^;
★何を隠そう私がはじめて「ロックの洗礼」を浴びたのは、ビートルズでもツェッペリンでもなくこの「剣の舞」だったのでした。この強烈なビートに圧倒的なスピードとパワー、こりゃロック、それもハード・ロック以外のなにものでもないですよね!物心つかないうちにこの曲を聴いては踊りまくった私、その後ずいぶん経ってからツェッペリンやジューダス・プリーストなどのごりごりハード・ロックを聴くようになったんですが、「おお、こりゃ『剣の舞』だ!」とすんなりと受け入れたのを覚えています。今考えると、この曲が私のHR/HMやダンス・チューンへの嗜好の原点だったのかもしれませぬ。
というわけで、「ガイーヌ」であります。
原型は「幸福」というバレエ組曲(1939年初演)で、それが後に発展して「ガイーヌ」(原典版。1942年初演)となった。しかし1957年のモスクワ上演では台本が大幅に変わり(モスクワ版)、さらに1971年演出家チチナーゼによって新台本が作られた(チチナーゼ版)。つまり「ガイーヌ」には3つの台本があって音楽もそれぞれ違うということ。このCDは、原典版の完全演奏を録音した価値あるものである。
・・・なぞと偉そうに解説してみましたが、もちろん全部聴き比べたわけじゃありません。こういった事情をまったく知らず、たまたま買ったらこの原典版だったのであります。(^-^;)
私は長いこと「剣の舞い」しか知らなかった(ついでに言えば作曲者も知らなかった)んですが、全曲聴いてみると・・・おおお〜〜〜、こりゃめっさカッコええですね!強烈なリズムと野蛮なまでのパワー、聴いてて血がたぎります。色彩感豊かな、というより原色ぶちまけたようなオーケストレーションも、下品で好き。(^O^)
ディスク1なんて、オーケストラの仮面かぶったトラッドだよなぁ。特に1−Aや1−C、そしてもちろん2−Hあたりの、アジア系民族の民族音楽から素材を借りてきた曲の暴風のような激しさは痛快!1−@や1−Dなんかのダンス・チューンもごきげんです。
もちろん叙情的な美しい曲もあります。愛らしい1−Bとか緩やかに流れる1−E、Hとか有名な2−Mとか。でもやっぱり箸休めというか「嵐の前の静けさ」というか、来たる嵐をどきどきしながら待ち構えてしまう私なのであります。
その期待に応えてくれるディスク1のラスト「火焔」は、思わずのけぞってしまうほどのド迫力。ひょえ〜〜〜。
そして2−H「つるぎの舞」。いつ聴いても子供の時の興奮がよみがえりますです。ドガドガドガドガやけくそのようにぶっ叩きまくる打楽器群は、理屈も何も吹っ飛ばす原始のパワーであります。馬鹿みたいなスピードと、タメのきいたリズムがもたらすこのへヴィさ!やっぱこの曲、ロックだよな〜。
(2001/11/7)