●アイルランド及びイングランドの若手ミュージシャン4人によって結成されたアイリッシュ・トラッド・バンド。元はシェットランドの言葉でFlatfish(カレイやヒラメなどの平たい魚)を意味する"Fluke"というバンド名にしたかったのだが、すでに同じ名前のテクノ・バンドがいたためにスペルを変えて"Flook"としたらしい。
リーダー格のBrian Finnegan/ブライアン・フィネガン(フルート、ホイッスル他)は北アイルランドのアーマー州出身。10代の頃、現ルナサのキリアン・ヴァレリーの実兄ニール・ヴァレリーと一緒にバンドを組んでいたという。
イギリスはマンチェスター出身のSarah Allen/セーラ・アレン(アコーディオン、フルート、ホイッスル)は80年代後半、ベアリー・ワークスで活躍していた。
ギターのEd Boyd/エド・ボイドはイギリスのバース出身。バースのフォーク・クラブで活動していたが、元ペンタングルのジョン・レンボーンやバート・ヤンシュのギター・ワークに強い影響を受けたらしい。その後マンチェスターの大学に進学、その地のアイルランド音楽コミュニティに加入して腕を磨く。
創設時には、後にルナサに加入するMike McGoldrick/マイク・マクゴールドリック(フルート、ホイッスル)も在籍しており、ギター+フルート三人という編成だった。のちにM・マクゴールドリックが脱退、同じくマンチェスター出身のJohn
Joe Kelly/ジョン・ジョー・ケリー(バウロン)が加入しギター、バウロン、笛二人という布陣になる。
99年にこの4人の編成でデビューアルバム「フラットフィッシュ」を発表、そのユニークな編成と高い音楽水準、自由なスタイルで話題になる。01年、セカンドアルバム"Live
2001"を発表。同年12月には初めての来日公演も果たした。
(2001.12/24)
>01年12月のライヴ・レビューはこちらから。
| Discography(正規アルバム) ※発売年、タイトル、レーベル |
1999 "Flatfish" Flatfish Records
2001 "Live 2001" (レーベル不明。自主製作?)
"Flatfish"/「フラットフィッシュ」(1999年、1st)

↑「フラットフィッシュ」って文字通りぺったんこの魚のことだったのね。ヘンな名前・・・。^^;

↑トラッドにしては変化に富んだ大曲が多いのも特色。

↑編成、使用楽器、メンバー写真。どーでもいいけど、みんな意外に背が低いんですよね。でもステージに立つと大きく見える。オーラってやつですかな。
★グルーヴ感溢れるスピーディなサウンドが魅力のフルックのデビュー作。アイリッシュ・トラッドでフィドルもブズーキもイーリアン・パイプもなしという編成にまずびっくり。サウンドを聴いて二度びっくり。異色の編成にも関わらず実に完成度の高いサウンドなのですね。アコースティック一本、インストゥルメンタル一本に絞りきった楽曲も、潔くて良し!
のっけの"Calico"から、これでもか!と言わんばかりの疾走系ダンス・チューン満載のごきげんノリノリなアルバムで、その手のサウンドがお好きな方にはたまりませんでしょう。ブライアンの跳ね回るフルートととセーラのしっとりしたアルト・フルートとの絡み合い、ぶつかり合いは聴き応え十分。エドの緊張感溢れるソリッドなギター、ジョン・ジョーのタブラを思わせる粒の細かいバウロン・ワーク、このリズム隊二人がフロント二人の魅惑的なメロディを土台で支えています。
ところで、上で「トラッドにしては変化に富んだ大曲が多い」と書きましたがこれには理由があります。このアルバムの曲は全て2〜4曲の異なる曲(トラッドもあればオリジナルもあり)を併せて一つの曲にアレンジしたものなのです。たとえばAの"E♭
Reels"は、"Blink""West Clare Reel"という2つのトラッド曲と"Lexy
Macaskill's"というDr.John Macaskilの曲とを組み合わせたもの。最も変化に富んだラストのH"Flutopia"に至っては、"Munera
de Casa""Gavotenn bro.dardoup""Macedonian
Oro"という3曲のトラッド+オリジナル曲の"Thomas
McIlvogue's"という構成。聞き覚えのあるフレーズがあちこちに現れるのもこういったわけなのですね。
彼らはライヴやセッションなどでヨーロッパ中を飛び回っていますが、その際にアイルランドやイングランドは無論ガリシア、ブルターニュや東欧、南欧まで各地のトラッドを意欲的に吸収しているそうです。これからも刺激的な音楽を作り続けてくれることでしょう。期待大!ですね。
(2001.12/24)
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"Live 2001"(2001年、2nd)

↑ジャケはカラーコピー、CDは焼き物という自主製作丸だしのアルバムであります。^^;セーラさん、お目目がおっきいな〜。

↑あれ、ファーストに入っていない曲がたくさんありますね。ライヴが身上である彼らのこと、持ち歌は相当数に上るのでしょう。
・編成、使用楽器・・・1stと変わらず("Flatfish"の項参照)。
★2001年春に行なわれたライヴの録音。彼らのライヴの魅力についてはクライヴ・グレッグソン&フルックのライヴ・レビューでたっぷり述べたのでそちらもご参照ください。とにもかくにもカッコええ!ライヴになっても一糸乱れぬアンサンブル、そしてスタジオ盤を遥かに超える熱気と血も踊るドライヴ感、彼らの真骨頂はやはりライヴにありますね。Gの"Dub"ではジョン・ジョーの超絶バウロン・ソロが聴けるのも大きな魅力です。
アイリッシュ・ダンス・チューン大好きな方は必聴!(^O^)
(2001.12/24)