Renaissance/(新生)ルネッサンス Britain

●ルネッサンス(いわゆるオリジナル・ルネッサンス)が事実上解散状態だった時に、レコード会社との契約上急遽新たなメンバーで再編された(オリジナル・ルネッサンスの解説を参照)のが「新生」ルネッサンスのプロト・タイプと言える。2nd"Illusion"の"Mr.Pine"という曲のクレジットに名前を残すこのメンバーは、Michael Dunford/マイケル・ダンフォード(ギター)、Neil Korner/ニール・コーナー(ベース)、Terry Slade/テリー・スレイド(ドラム)、Terry Crowe/テリー・クロウ(ヴォーカル)の4人。M・ダンフォードは後の新生ルネッサンスの核となる人物だが、オリジナル・ルネッサンスのJim McCarty/ジム・マッカーティが連れてきた友人だという。また、同グループでキーボードを勤めたJohn Hawken/ジョン・ホウクンとは元々ナッシュビル・ティーンズというバンドで同僚だったので、その繋がりもあったのだろう。

1970年には上記の4人に加えJane Relf/ジェーン・レルフ(ヴォーカル)とJ・ホウクンを加えた6人編成でヨーロッパ・ツアーを行なうが、ツアー終了後にこの二人も脱退。J・レルフの代わりにビンキー・カラムというアメリカ人女性シンガーが一時的に加入、J・ホウクンの代わりにJohn Tout/ジョン・タウト(キーボード、ピアノ)が加入する。この時点でオリジナル・ルネッサンスのメンバーは完全にいなくなったが、Keith Relf/キース・レルフとJ・マッカーティの創設者二人はその後も黒幕的存在として関わりを持っていたらしい(K・レルフは71年まで、J・マッカーティは73年ごろまで)。

翌71年の元旦のギグではオーディションで採用された新ヴォーカリスト・Annie Haslam/アニー・ハズラムが加入。5人編成となったルネッサンスは、しかし72年には早くも一時的な解散を迎えている。その後J・タウトとA・ハズラムが中心となって再結成されたが、M・ダンフォードが再加入した他はメンバーがまたも一新され、今度は新たにJohn Camp/ジョン・キャンプ(ベース)、Terence Sulivan/テレンス・サリヴァン(ドラム)、Mic Persons/ミック・パーソンズ(ギター)が新加入した。M・パーソンズが加入したのはM・ダンフォードが作曲に専念したいという理由からだった(そのためM・ダンフォードはライヴにも参加せず、3rd「運命のカード」まではアルバムのクレジットにも記載されていない)。しかしM・パーソンズが交通事故で死亡してしまったため、元ナッシュビル・ティーンズのRob Hendry/ロブ・ヘンドリー(ギター)が急遽代役として加入した。

72年、ソヴリン・レーベルと契約した彼らは、新生ルネッサンスとしてはデビュー作になる「プロローグ」を発表。編成はA・ハズラム、J・タウト、J・キャンプ、T・サリヴァン、R・ヘンドリーの5人だが、作詞担当として女流詩人Betty Thatcher/ベティ・サッチャーも以後重要なメンバーとなる。彼女はJ・レルフの友人で、オリジナル・ルネッサンスの2nd「イリュージョン」の詞も提供していた。R・ヘンドリーはこのアルバム発表後すぐに脱退(どうやら首にされたらしい)したため次作「燃ゆる灰」のクレジットは彼を除く4人になっている。

74年にBTMレコードに移籍、M・ダンフォードが正規メンバーとしてライヴ活動に参加、以後のアルバムでもクレジットに記載されるようになる。
以後70年代を通して優れた作品を次々と発表した彼らは、ライヴでもオーケストラと共演するなどしてその評判を高めていった。

しかし80年にJ・タウト、T・サリヴァンが脱退(それぞれPeter Gosling/ピーター・ゴスリング、Peter Balon/ピーター・バロンに交代)。さらにJ・キャンプがRoy Wood/ロイ・ウッド率いるヘリコプターズというバンドに加入してしまったため、新生ルネッサンスは仮死状態に陥る。残されたA・ハズラムとM・ダンフォードは音楽活動を続行するためP・ゴスリングを加えて新バンドNevada/ネヴァダを結成、短期間活動する。しかしヘリコプターズを脱退したJ・キャンプがルネッサンスの再始動を呼びかけたためネヴァダは存在意義を失い、A・ハズラム、M・ダンフォード、J・キャンプの3人によりルネッサンスは再始動、IRSレーベルと契約して"Camera Camera""Time-Line"の2枚のアルバムを発表する。当時隆盛だったニュー・ウェーブの影響を受けたこの2作品はしかしかつてのファン層にはアピールせず、セールス的にも不振、そのため83年には解散を迎えることとなる。

その後M・ダンフォードは95年になって別メンバーによるルネッサンスを結成し、2枚のアルバムを発表。こちらはマイケル・ダンフォーズ・ルネッサンスと呼ばれオリジナル・ルネッサンス、新生ルネッサンスとは別グループとして扱われている。

さらに97年には新生ルネッサンスの代表曲の一つ「シェエラザード組曲」をモチーフとしたミュージカルを製作するという話が持ちあがり、そのプロモーションCDの録音のためにセッションが行なわれた。この録音を元にまとめられたのが2000年に発表された「トスカーナ」である。このアルバムは臨時的なセッションのいわば副産物であったが、これが大きなきっかけになって新生ルネッサンスが再結成されることになった。

2001年には正式に再結成、A・ハズラム、M・ダンフォード、T・サリヴァン、のオリジナル・メンバー3人にMicky Simmonds/ミッキー・シモンズ(キーボード。元キャメル、フィッシュ、マイク・オールドフィールド他)、Rave Tesar/レイヴ・テサール(キーボード)、David Keyes/デヴィッド・キース(ベース)を加えた6人編成によりイギリス、日本でのツアーを行なった。

※ルネッサンスをオリジナル、新生と分けず同一グループとする立場もありますが、このHPではメンバーや音楽性の相違を考慮して別グループとして扱うことにします。
((2001.11/1、2002.2/19全面的に改稿)

Discography(正規アルバム) ※発売年、タイトル、レーベル

1972 "Prologue" One Way
1973 "Ashes Are Burning" One Way
1974 "Turn of the Cards" Repertoire
1975 "Scheherazade & Other Stories" Repertoire
1976 "Live at Carnegie Hall" Repertoire
1977 "Novella" Sire
1978 "A Song for All Seasons" Sire
1979 "Azure d'Or"Sire
1981 "Camera Camera" Repertoire
1983 "Time-Line" IRS

2000 "Tuscany" 東芝EMI

Discography2(ベスト、コンピレーション、未発表音源など※発売年、タイトル、レーベル

1990 "Tales of 1001 Nights, Vol. 1" Sire
1990 "Tales of 1001 Nights, Vol. 2" Sire
1995 "Da Capo" Repertoire
1997 "Songs from Renaissance Days" King Biscuit
1997 "King Biscuit Flower Hour" King Biscuit
1997 "King Biscuit Flower Hour, Vol. 2" King Biscuit
1998 "Trip to the Fair" Mooncrest
1999 "BBC Sessions" Wounded Bird
2000 "Unplugged: Live at the Academy of Music..." Mooncrest
2000 "Day of the Dreamer" Mooncrest

2001 "Archive"

関連公式HP

Northern Lights
ルネッサンスの公式ファンサイト(英語のみ)。オリジナル・ルネッサンスやイリュージョン、メンバーのソロなども含む。ディスコグラフィ、グループの歴史、全曲の歌詞、インタビュー、ライヴ・レビュー、さらにオリジナルMIDIファイルや主要曲のギター・コード解析などなど、膨大な情報を網羅している。
Annie Haslam
アニー・ハズラムの公式サイト(英語のみ)。最新情報、ディスコグラフィ、バイオグラフィ、本人からのメッセージ、関連商品の通信販売など。彼女のオリジナル料理のレシピという変わったコーナーもある。


"Ashes are Burning"/「燃ゆる灰」(1973年、2nd)
不朽の名曲「燃ゆる灰」を含む彼らの代表作にしてクラシカル・ロックの傑作

 

↑通称「微笑みジャケ」。紙ジャケに際してこちらのジャケットがめでたく採用されました。

↑ちょっと意外ですが、ジャケットはヒプノシスによるもの。新生ルネッサンスでは1st〜4th、及び「四季」の5枚がヒプノシスのジャケです。

↑高い完成度を誇る佳曲がずらり。Fは・・・一種のジョーク、なのか!?^^; 

↑編成、使用楽器。上記解説にもある通り、クレジットには載ってませんがアコースティック・ギターはマイケル・ダンフォード。

 

★新生ルネッサンスの全盛期の諸作品はどれもが驚くほど高品質の名作ばかりですが、このアルバムもファンの間では高い人気を保持しつづける傑作であります。
前作「プロローグ」ではまだ荒削りなサウンドで(そこに別の魅力があるのも事実ですが)歌姫アニー・ハズラムの出番も少なかったのですが、セカンドになってその音楽性は早くも確立された感があります。一口に言えばそれは「クラシックとロックの融合」なのでしょうが、ナイスやE,L&Pなど同じ境地を目指した先行グループや、「ロックによるクラシック」を指向したエニドなどとは似て非なる個性を持っていました。M・ダンフォードによる作曲とクリスタル・ヴォイスの代名詞とも言える美声ヴォーカリスト、A・ハズラムの存在ももちろん大きいのですが、オリジナル・ルネッサンスから引き継いだブリティッシュ・フォークの香りが絶妙な隠し味になっているのだと思います。
綿密に計算された高い構築性と格調の高さ。人懐っこい牧歌的雰囲気と肌の温もり。それらが同居しているのがルネッサンスの魅力であり、そして類稀な個性でありましょう。ベティ・サッチャーによる幻想的な詞を音像化したようなリリシズムもまた彼らならではのもの。

さて、このアルバムなんですが@「キャン・ユー・アンダースタンド」C「カーペット・オブ・ザ・サン」はライヴでもお馴染みの彼らのスタンダード・ナンバー。この4曲目までは明るく軽快なナンバーが続き、実に華やかな印象です。良く聴くと相当に凝ったアレンジをしているのにそれを微塵も感じさせないポップさが見事。A・ハズラムの伸びやかな美声はもちろん、J・キャンプの「歌う」ベースとテレンス・サリヴァンのグルーヴ感溢れるドラムのリズム隊、そしてJ・タウトのリリカルなピアノ・ワーク、M・ダンフォードのギター、聴きどころは満載であります。
D「港にて」は旧規格CDを持っていた方は要注意の曲。旧規格盤では著作権の関係で前後を切り落としたショート・カット版として収録されていたのですが、この紙ジャケでようやくアナログ盤と同じものを聴けるようになりました。幻想的な前後の部分がないとこの曲はまるで別物、とくに後半部分はE「燃ゆる灰」のイントロに自然に繋がっていくよう作られているのでここを切ってしまうとアルバム全体の整合感まで失われてしまうのです。
ついでに言わせてもらえば、レコード会社の都合で無理矢理ショート・カット版にしたくせにそれをFでボーナス・トラックと銘打って収録しているのはほとんど悪い冗談としか思えませぬ。なんのつもりか知らんが、曲の流れを無視したこのヘンなボーナス・トラックは「邪魔」の一言ですな。(-_-;)
そしてライヴでは常にラストの大団円に持ってくる代表曲E「燃ゆる灰」。美しいメロディラインと劇的な構成を持った曲で、名曲・佳曲山盛りの彼らのレパートリー中でも屈指のものでしょう。これを聴いて何も感じなかったとしたらルネッサンスとは縁がなかったと判断しても良いかも??ちなみにこの曲のみ、同じマネージメントに所属していたよしみでウィッシュボーン・アッシュのアンディ・パウエルがゲスト参加、華麗なギターを聴かせてくれます。

最後にこの紙ジャケの特徴を。旧規格CDからの変更点は、前述の@「港にて」のオリジナル・ヴァージョン収録、Aライナーとジャケットの変更(アメリカ盤のアナログ・ジャケットからイギリス盤のアナログ・ジャケットへ)、BピクチャーCD、C音質の向上、の4点。なかなかグレイトな変更なので、未所有の方は中古屋さん巡りをしてでも紙ジャケCDの方を入手されるよう強く推しておきますです。
(2002/2/19)


"Scheherazade and Other Stories"/「シェエラザード」(1975年、4th)
「アラビアン・ナイト」をテーマにした一大幻想絵巻

 

↑想像をかきたてられる素敵なジャケット。

↑う〜ん、名曲揃い・・・。

↑編成、使用楽器。うわぁ、みんな若〜い!あっ、"Original cover design and photos by Hipgnosis"というクレジットがありますね。今気付いた。

 

★75年発表の4作目。旧A面3曲、旧B面は1曲という大作アルバムですが、雰囲気まかせの大味なところは一切無し、どの楽曲も練りに練り上げられた緻密なアレンジです。
@「トリップ・トゥ・ザ・フェア」、A「ヴァルチャーズ・フライ・ハイ」、そしてファンの間で常にベスト3に挙げられるほど人気の高いB「オーシャン・ジプシー」への流れは文句のつけようもありません。これぞルネッサンスの真骨頂ともいうべき美しいクラシカル・ロックの大波小波。そのままC「シェエラザード組曲」に流れこめば、そこはめくるめく幻想の世界。憂世を忘れて思う存分この美しい世界に浸りきりましょう。
楽曲、アレンジ、演奏、アニー・ハズラムの美声、ベティ・サッチャーの歌詞・・・すべてが高い水準で一体となった、ルネッサンスの魅力全開の名作です。
(2001.11/1)

 

 

 


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