Warhorse/ウォーホース Britain 

●Ritchie Blackmore/リッチー・ブラックモア(ギター)、Rod Evans/ロッド・エヴァンス(ヴォーカル)、Jon Lord/ジョン・ロード(オルガン、キーボード)、Nic Simper/ニック・シンパー(ベース)、Ian Paice/イアン・ペイス(ドラム)の5人によって1968年に結成されたディープ・パープル。ロック史に偉大なる軌跡を残した彼らの最初の大きな転換期は69年に訪れた。この年、初のメンバー・チェンジを行なった彼らは翌70年5th"Deep Purple In Rock"を発表。第2期ディープ・パープルとしてのサウンドを確立したこのアルバムは大ヒット、その後も次々と傑作を作り上げ黄金時代を築くことになる。
この時新加入のIan Gillan/イアン・ギラン(ヴォーカル)とRoger Glover/ロジャー・グローヴァー(ベース)に取って代わられた形で脱退した(事実上のクビ切り)のが、R・エヴァンスとN・シンパーだった。
R・エヴァンスはその後キャプテン・ビヨンドを結成して復活を果たした。一方のN・シンパーが70年に結成したグループがこのウォーホースである。

メンバーはN・シンパー(ベース)、Frank Wilson/フランク・ウィルソン(オルガン、ピアノ)、Mac Poole/マック・プール(ドラム)、Ashley Holt/アシュレイ・ホルト(ヴォーカル)、Ged Peck/ゲド・ペック(ギター)の5人。
N・シンパーはRegents、Johnny Kidd and Pirates、Flowerpotmenなどのバンドを遍歴した後、Flowerpotmenでの同僚J・ロードとともに第1期ディープ・パープルに参加。その後の経緯は上記の通り。
F・ウィルソンとM・プールとはVelvette Foggというバンドで一緒に活動していた。M・プールはウォーホース解散後にBroken Glassに加入。
教会の聖歌隊の少年歌手だったという経歴をもつA・ホルトは、Ronnie Smith Bandなど様々なバンドでヴォーカリストとして活躍していた。ウォーホース解散後は、リック・ウエイクマンのソロ・プロジェクト・バンドEnglish Rock Ensembleのヴォーカルを務めたこともある。
G・ペックについては詳細不明。

70年にヴァーティゴから発表されたデビューアルバム"Warhorse"は「元ディープ・パープルのベーシストが結成したバンド」ということで注目を集めたものの、セールス的には不振に終わった。その後ギターがPeter Parks/ピーター・パークス(元Black August)に代わり、72年に2nd"Red See"を発表。さらに元LegendのBarney James/バーニー・ジェイムズ(後にA・ホルトとともにEnglish Rock Ensembleに加入)を新ドラマーとして迎えるなどその後も活動を続けたが、やはりセールスには恵まれず74年に解散。残したアルバムはわずか2枚だった。

79年、N・シンパーはP・パークスと共にNick Simper's Fandangoを結成。こちらはウォーホース以上にぱっとせず、79年、80年に発表した2枚のアルバムのみで自然消滅している。その後の活動については不明。
ディープ・パープルの輝ける軌跡とは対照的に、最後まで日の当たらぬ道を歩みつづけた人物であった。
(2002.1/2)

Discography(正規アルバム) ※発売年、タイトル、レーベル

1970 "Warhorse" Vertigo
1972 "Red Sea" Vertigo

Discography2(コンピレーション、BOXセット、未発表音源など)※発売年、タイトル、レーベル

1983 "Vulture Blood" Thunderbolt
1986 "The Best of Warhorse" Thunderbolt
2001 "As Heaven Turns To Ash..." Southern Lord


"Warhorse"/「ウォーホース」(1970年、1st)
重厚かつパワフルなサウンド、その背後から立ち昇るくすんだ哀愁。戦場で死ぬことを運命付けられた猛々しい軍馬を思わせる。

 

↑何気ないようでいて、憂愁に包まれたような色合いといい静かな雰囲気といい実に印象的なジャケ。こんな世界を表現できる人はそうそういない・・・そう、キーフによるジャケであります。

↑私のスキャナーは反射率の高いジャケをスキャンするとヘンな斑点が出てきてしまい前から困っていたのですが、ようやく解決法を見つけました。光の反射を抑えるために半透明のビニールを挟んでスキャンすると大分軽減されるのです。その代わりにちょっとボケてしまうんですが、背に腹は替えられず。

↑曲目。


↑編成、使用楽器、メンバー写真。左から、Ged Peck(ギター)、Mac Poole(ドラム)、Ashley Holt(ヴォーカル)、Nick Simper(ベース)、Frank Wilson(オルガン、ピアノ)。

 

★愛すべきB級ハード・ロック、ウォーホースの70年のデビュー作。同年にD・パープルの黄金時代の幕開けを告げる名作「イン・ロック」が発表され、対照的な結果となったのはちょっとした歴史の皮肉。
知名度から言えばB級になるのかもしれませんが、サウンドは正しくA級品。ブリティッシュ・ハード・ロックの王道をわき目も振らず突っ走るような骨太なサウンドは聴いていて小気味良いほどです。
第2期D・パープルが良くも悪くも切り捨てた第1期のあのサウンド、ハードでいながらどこか淡い憂愁に包まれた不思議な魅力を秘めたあのサウンドを、このウォーホースは更に突き詰めて追求していったように感じます。大々的にフィーチャーされたオルガン、直線的なギター、タメの利いたドラム、へヴィなベース、そしてパワフルでいながら妙に翳りのあるヴォーカル。う〜ん、良い。。。よく「D・パープルの小型版」なんて言われちゃいますが、それは過小評価でしょう。無論強い影響下にあるのは確かですが、このくすんだ哀愁に満ちたへヴィな世界はウォーホースならではのもの。

いかにも〜なオルガンから入る@「ヴァルチャー・ブラッド」はやはりいかにも〜な展開を見せるシンプルかつハードなナンバー。ギターとオルガンとのユニゾンは、わかっちゃいるけどしびれます。
A「ノー・チャンス」も大好きな曲。憂いに満ちたヴォーカルとハードなバックとの対照がたまりません。
そして初期D・パープルや初期ユーライア・ヒープを思わせるB「バーニング」は、コーラスといいリフといい間奏といいオルガン・ソロといい、も〜文句無しのカッコ良さ!この冒頭@〜Bの流れは素晴らしいですね。首根っこつかまれてぐいぐい引きずり込まれるような力強さと気迫とを感じます。
ライト・タッチのC「セント・ルイス」(でもからっと明るくはならないところがやっぱり英国)、ブルージーなD「儀式」、ハード・バラードのE「ソリチュード」を挟んでラストのF「ウーマン・オブ・ザ・デヴィル」へ。荒々しくもストレートなノリで一気に聴かせる骨太な曲であります。華麗なオルガンとジャジーなギターとのバトル、重たいリズム、猛々しいヴォーカル、これぞ英国、これぞハード・ロック!!(><)

なんつーか、「古き良きブリティッシュ・ハード」の典型のようなサウンドですね。数多いパープル・ファミリーの中でも出色の作品でしょう。特に第1期パープル・ファンは脳天直撃間違いなし、ひょっとしたら本家よりお気に召すかも?
(2002.1/2)

  


"Red Sea"/「レッド・シー」(1972年、2nd)
♪ゆーけゆーけ軍馬〜 どんとーゆ〜け〜〜〜〜♪^^;

 

↑ジャケも内容も、1stの方が良かったなぁ。。。

↑う、ひつこくまだ斑点が・・・。(-_-;) これでも大分マシになったんですが。

↑曲目。

・編成、使用楽器・・・Peter Parks(ギター)、Ashley Holt(ヴォーカル)、Frank Wilson(オルガン、ピアノ)、Nick Simper(ベース)、Mac Poole(ドラム)。

★72年のセカンド。基本的なサウンドは変わりませんが、1stよりも技巧的で構築性が高いサウンドになっています。そのために1stの持っていた荒削りながらも猛々しいパワーが弱くなってしまったような感があります。またギターが交代したせいなのか、あのくすんだような独特の哀愁も大分薄れてしまい、個人的には残念な作品。相変わらずクオリティは高いんですが。

タイトル曲@「レッド・シー」は前作の路線から外れぬ骨太ロック。しかしリッチーもどきのギター・ソロや延々と続くドラム・ソロがあったりして、曲を追うごとに冗長さが増していくような・・・。結果、個々の曲には光るものがあるもののアルバム全体としては散漫な印象。わたしゃやっぱ1stがええ〜なぁ。
あ、でもラストのF「I(フー・ハヴ・ナッシング)」は佳曲ですね。ムーディー・ブルースあたりを思わせるようなメロウな叙情的ナンバーで、彼らの才能の異なる面が現れているように思えます。この路線を発展させていったらまた違う傑作が誕生したのかもしれません。

ともあれこのアルバムを最後に愛すべき軍馬、ウォーホースは短い生涯を終えることになるのです。ぐんばったんだけどねぇ。。。^^;
(2002.1/2)

 

 

 

 

 

 



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