「白昼夢のようだった。〜電車でぽやん@〜」
(語り部・マツモトさん)


ちょっと前の、誰もが眠たげな昼下がり、立っている人がまばらな電車に乗っていたら、とある駅で若いOL風の女性が駆け込み乗車を謀りました。
私の座っていた席に近いドアは、ちょうどホームの階段の前に位置し、その階段をおねえちゃんは一気に駆け下りてきたわけです、ブーツの足音高く。
乗客達はみな、食後のうすらぼんやりした気分で(←勝手に決めつけてるわたくし)「間に合わないだろうなあ」と思っていたはず。
でも、おねえちゃんの「この電車になにがなんでも乗ってやる!深い意味はないけどもう後には引けない!」という執念が勝ちました。間一髪、閉まりかけたドアから彼女は車内にするりとすべり込んだのです。
すると、ドアの脇に立って腕組みしながら一部始終を見ていた50がらみのくだけたかっこのおっさんが、あろうことか彼女に向かって、野球の塁審よろしく、ジャスチャー付きでこう宣言したのです。
「セーフ!!」
一瞬の静寂後、ひと車両中、大爆笑。電車に乗っていてあんなに乗客の心が一体化したのを実感したのは初めての経験でした。
彼女?無表情のまま、すたすたコツコツと隣の車両に移動して行きました。
そりゃまあ、そうよね。
ちなみにおっさんは超然顔のまま次の駅で降車なさいました。

(2001.12/26)

 

 

 

 

 


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