バガンに着いた次の日。「たまにゃ〜お互い一人で気ままに」ということで、私達は別行動をとりました。
早朝からどっか行っちまった相棒、つられて早起きした私は暇つぶしに近くを散歩してたんですが、ホテルの兄ちゃんとばったり出会って「あんたこんなはよから何してんの?」と訊くと「お寺に行くんだ、あんたも一緒にくるか?」と言うのでのこのこついて行きました。歩いて数十分のところにお寺(といっても小乗仏教なので日本の寺とは大分違う)があり、彼が真剣になにやら祈っているかたわらで私は「別に祈ることなんかねえしな〜、んでももーちょっと美味いもの食べれるようにお祈りしとこっかな〜」なぞと思いながらぷらぷらしておりました。戻ってきた彼に「何をお祈りしたの?」と訊くと「健康。あと・・・マネー!」と笑って一言。いずこも同じ、でありますな。
その後ホテルでガタピシの自転車を借りて(愛用の折りたたみ自転車は邪魔になるので一時的にバンコクに置いてきた)、オールド・バガン探索。ホテルのある中心部からは数キロですが、なにせ自転車がボロいのと道路が舗装されてないので時間がかかるし疲れます。ひ〜こら。(+_+)
ヘンな土産物売りの兄ちゃんに妙な絵を買わされたり(商売巧いんだ、また)道に迷ったりしながらも、やっと着いたよオールド・バガン!しっかしなんともはや奇怪な光景・・・見渡す限りの赤茶けた大地と貧弱な植物相、そこから大小のパゴダ(仏塔)がにょきにょきにょきにょき立ち並ぶその有様、もちろん廃都なので人はほとんど住んでいないんですが・・・第一印象は「骨」でしたね。都市の骨。荒涼とした砂漠、砂に埋もれた動物の骨があちこちから顔を出しているような、そんな寂しく、空しく、でもなぜか心に迫るような不思議な光景でありました。。。
ちょっと不思議に思ったのは、荒涼としているのはこの古都一帯だけでその向こうには豊かなメナム河の赤茶色の流れがあり鬱蒼とした森林が広がっていること。なんでじゃろ?
このバガン(以前は国の名にならって"パガン"と呼んでいたらしいが)、インドネシアのボロブドゥール遺跡、カンボジアのアンコール・ワットと並んで世界三大仏教遺跡の一つと呼ばれる所ですが、かつてはさぞかし殷賑を極めた都だったのでしょうね。何しろ規模が半端じゃない。形も大きさも様々な数百数千のパゴダ(王様はじめ有力者たちがこぞって寄進したのでしょう)、その一つ一つの内部に細密な壁画が描かれ仏像やらなにやらが安置されていたわけで・・・当時は信心深い人々がたくさん訪れていた聖地だったのでしょう。数百年もほったらかしにされてしまった今となってはパゴダの外も内もボロボロでぺんぺん草が生えてますが。ぺぺんぺんぺん♪
人気のないこの遺跡を自転車でゆっくり観て回ってたらなんだか無性に寂し〜くなってしまったので、帰りに居酒屋みたいな店で一杯やりました。ミャンマーの人達はシャイの割りに人懐っこくて、こちらから話しかけると喜んですぐに打ち解けられるのですね。あと、なんとなく日本人はウケが良いよーな気も。
そこにいた兄ちゃんたちと楽しく飲んですっかり良い気分になった私は、とっぷり暮れた道をガタピシ自転車に乗って帰ったのであります。コウモリ達の鳴き声と、降るような美しい星空をよく覚えています。
・・・・・・ホテルに着くと相棒のRさんは既に帰っていました。私の土産話をおとなしく聞いていたんですが・・・どこか様子が変。普段はうるさいくらい賑やかなのに、時々ぼ〜〜〜っとして心ここにあらずと言った感じなのですね。こんなことは今回の旅で初めてだったのでちょっと驚いたのですが。
「そう、ダイスケもオールド・バガンに行ったのね。私もそこに行ったよ」と彼女。
「そこでね、とても不思議なことがあったのよ。多分、信じてはくれないかも知れないけれど・・・」
そしていつもとは違った妙に深々とした口調で彼女はゆっくりと話し始めました。その日彼女が体験した不思議な出来事を。。。
※この話、「世にも不思議な物語〜古都バガンC〜」に続きます。
(2002.5/23)
↓オールド・バガン。こーいう風景が180度広がっているわけです。

小さなパゴダは一軒家ほど、大きなパゴダは見上げるほど。何層にも成った巨大なものもあり。


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