今回の旅の相棒Rさんのエピソードを少しお話いたしましょう。
韓国人の女性は気が強くて有名ですが、彼女はまさに典型的な韓国人女性、綺麗な顔をしてるのにめちゃめちゃ気が強いのですね。んだから一緒に旅をしていると衝突することもしばしば、時々嫌になっちゃうこともありましたが、いざという時にはこれほど心強い相棒もいなかった。
タイのあれはプーケット島だったかな?有名なリゾート・ビーチにいったときのこと。
観光地に必ずいる「記念写真屋」(ワシだのヘビだのトカゲだのの飼い慣らした珍しい動物を観光客の肩に乗せて写真を撮り、なにがしかのお金を要求する商売ね)にしつこくつきまとわれたことがありまして。ちょっと柄が悪い兄ちゃん2人だったんですが、日本人は良いカモだと思っているので何度断ってもしつこくくっついてくるのですな。で、しまいには勝手にワシを私の肩に乗っけて写真を撮れと言うのです。あまりしつこいんで、相棒に写真を撮ってもらってなにがしかのチップを渡して追っ払おうと思ったんですが、「これじゃ足りない」と相場の10倍ぐらいの値段を吹っかけてきたわけです。あまりのタチの悪さに腹が立って「自分のカメラで写したのになんでそんな金をださなきゃいけんのだ、いい加減にしてくれ」と言っても頑としてきかない。延々と口論を続けても埒があかないもんで私も「揉め事はたくさんだ、もう言い値通りのお金を払ってしまおうか」と思いはじめたほどでした。
するとたまりかねた相棒が「そんなら今撮ったフィルムをあげるわよっ!それで文句無いでしょっ!!」と叫びざま、いきなりカメラのフタを開けてフィルムを引きずり出し、ばしーっ!と例の二人組の顔に投げつけたのです。これにゃ〜私も痛快さのあまり大声で笑ってしまいましたです。(^O^) 周りで何事かと眺めていた観光客達もやんややんや、拍手までされたほどでした。二人組もあまりの剣幕にすごすごと退散してしまい、フィルムはダメになっちゃったけど気分壮快な出来事でしたね。頼りになるなぁ、相棒。
あと、ミャンマーに入国する時のこと。この国はヘンな国で、外国人は入国する時に「強制両替」というものをさせられるのです。200米ドルを「チャット」という現地通貨に無理矢理両替させられるのですが、この「チャット」というのは実は正規な通貨ではなくミャンマー国内でしか通用しないショボい代用通貨なのですな。そしてひどいことにチャットから米ドルに両替することは出来ない。つまり外国人は最低でも200ドル分を現地で使わなければならない仕組みになっているのです。
外貨が欲しくてしょうがないミャンマー政府が姑息にも作り出した悪名高きこの強制両替、物価が安いこの国ではたかだか1週間の滞在で200ドルものお金は必要無いことがわかっていたんで私ら2人は困ってしまいました。
そこで相棒登場。両替カウンターに向かった彼女、女性係員と何事か話していましたが戻ってくると「ダイスケ(私の本名です)、強制両替は半額の100ドルで済ませたからネ、心配しなくてもだいじょぶよ」と。
話を聞くと、「1週間しか滞在しないんだから200ドルも必要無い」と彼女が主張しても強情な係員は「規則だから」と首を振るばかりだったそうですが、最後に5ドルの賄賂をこっそり渡したら「そーいうことなら半額でオッケーよん。ないしょ、ないしょですからね!」とばかりに(^^;)あっさり譲歩してくれたそうな。私にはそんな発想はなかったなぁ。
「貧しい国では賄賂は一種の潤滑油なのよ。私もこういうやり方は好きじゃないけど利用できるものは利用しなくちゃネ」とは彼女の言葉。う〜ん、ほんっとに頼りになるなぁ。
まぁ気性の激しさが災いして失敗こくこともありましたが、彼女のおかげで助かったことのほうが遥かに多かったのです。綺麗な顔して燃えるような気性の持ち主、世事に通じて社交的、冗談好きでとにかくよく喋り、でも芯は寂しがり屋で優しいこの相棒、思えば良いパートナーといっしょに旅をしたものであります。
(2001.12/13)