2007.7.7 Sat


2007年6月2日にスタートした名城スタンプラリー、その初日こそ、イベントの行われた小田原城に駆けつける執着を見せたが、以後、一ヶ月以上の長きにわたって放置してしまった。ガソリン代の高さは気になるがこのあたりで近隣の城でもいいから一気に稼いでおきたいところ。同時多発献血の日も重なっていたので栃木から攻めることにした。前日の職場の宴会はノンアルコールで切り抜け、朝4時に出発。国道142号で佐久に出て佐久ICから上信越道。関越道、北関東道と辿って伊勢崎ICを出たときは6時を回っていて無事、通勤割引の5割引。ガソリンの安い国道50号沿いで給油し佐野藤岡ICから東北道。都賀JCTから北関東道に入って上三川ICまで。宇都宮に直行した。

献血前には勿論、お城めぐり。2007年3月25日に土塁、櫓が復元されオープンしたばかりの宇都宮城を狙ったが櫓に入れるのは9時から。せっかくなので宇都宮城を300城目の区切りの攻城にするべく、299城目として宇都宮市内の国史跡・飛山城に立ち寄ることにした。7時半過ぎに到着。いきなり、きれいに整備された6号堀の大土塁が目に飛び込んでくる。うれしい不意打ちだ。暫く周辺の写真を撮っていると職員さんが門のカギを開けてくれた。これまたきれいな枡形を通って城の内部へ。4号堀に沿って歩いて土橋を渡り掘立柱建物が復元されている郭を抜けるとこれまたきれいな2号堀。1号堀、3号堀は自然のままの状態で復元整備された堀との対比もまた面白い。鬼怒川に面した城の西側を4号堀も越えて南へ抜けると紫陽花が咲き誇る庭園まで楽しめた。そして最後にこの城の売りである土塁登り体験。登りやすくするために傾斜を緩くしての復元は残念だが、土塁登りが公然と許されるだけでも貴重なことである。私としては異例の50分にも及ぶ滞在となった。今回見ることができなかったとびやま歴史体験館もあることだし再訪を期したいと思う。

9時前、宇都宮市役所の駐車場に何とか車を駐めることが出来、宇都宮城へと駆けつける。富士見櫓と清明台の二つの櫓は木造での復元なので良いとして、皆さんから不評の土塁の土手っ腹に開いたトンネルは本当にいただけない。市役所前というロケーション故、防災施設の役割を持っての復元なのだそうだが、中途半端の感は否めない。飛山城で満たされていたので不満はないが、記念すべき300城目の攻城としては物足りなさが残る。関東7名城、宇都宮吊天井事件で本多正純失脚、戊辰戦争の攻防とネームバリューとエピソードには事欠かない城だからまあいいか。一応、二つの櫓ばかりでなく宇都宮城ものしり館、まちあるき情報館、清明館歴史展示室とくまなく見て回った。

9時半前、車を市営駐車場へと回してうつのみや大通り献血ルームへ。9時半過ぎルーム入り。3番目の受付だった。前検の採血に失敗し、3回も針を刺されてしまったが、おかげで採血機は初流血検査のテルシスSに変更。私の大好きな採血機なので怪我の功名というものである。採血は至って順調に終了。これで113ヶ月連続、466回目である。処遇品はキシリトールガムの他、カロリーメイトが2個。これを昼食代わりにしてしまう。

次は新国道4号バイパスで小山へと向かう。小学校入学前にあこがれた小山遊園地を擁すこの市には、国史跡の城が3つもあり関ヶ原前夜の小山評定が行われた歴史の舞台でもある。途中、リッター120円を切るガソリンの安さに吃驚。宇佐美プリペイドの5%引きで124円という国道50号沿線でも諏訪に比べればリッター20円も安いのだから栃木県のガソリンの安さは異常である。まず最初に向かった中久喜城は結城領との境の城でJR水戸線で分断されていることは知っていたが、城址碑以外に表示や説明板を見つけることができなかった。何年か経てば発掘調査、整備復元の手が入るのだろうか。

続いて祇園城。ここは城山公園として整備されており、小山城と言えばこの祇園城を指す。空堀、曲輪が視認できる。ほど近くの小山市役所には小山評定跡の石碑が建っている。更に南に下ると祇園城と共に思川河畔に並ぶ鷲城。鷲神社から虎口を通って下っていくと小山総合公園に抜けられる。さほど整備の手が入っていないが大規模な空堀、土塁が残っている。このほかに栃木県北部には那須神田城があり日本100名城の足利氏館も国史跡だ。中久喜城、祇園城、鷲城は小山氏城跡としてまとめて史跡に登録されているとはいえ栃木県にこれだけ史跡の城があるとは調べてみるまで知らなかった。

前座の城めぐりが長引いてしまったがいよいよここから名城スタンプラリーのスタンプ集め三連発。まずは国道50号で足利市。観光駐車場に車を駐め、足利学校はスルーしてばんな寺となっている足利氏館跡へ向かった。スタンプは本堂と休憩所の2箇所にあるようだが、休憩所で押させてもらった。ここを訪れるのはこれで3度目だが、今回初めて絵はがきを購入した。続いて国道407号で太田市の金山城。大規模に石垣の復元がなされており群馬県の城の中では最も見栄えがすると思う。馬場下通路から月の池、大手虎口を抜け南曲輪の休憩所にてスタンプゲット。更に日の池、御台所を越えて新田神社が建つ本丸跡まで足を伸ばしてきた。スタンプ集めが目的とはいえ、一通りは城内を巡らないとやっぱり満足はできない。帰路は物見台にも立ち寄ってみた。

最後にもう一件、箕輪城も目指してみる。上武国道から国道50号で前橋に出て向かったが、夕刻故、車の流れが悪かった。17時過ぎ、箕輪城二の丸の駐車場に到着。スタンプは城の案内チラシが入っているボックスの中に無造作に転がっていた。スタンプのデザインは城址碑。大規模ではあるが堀切なんかはデザインしにくいものね。4度目の攻城となる今回は木俣から大手尾根口を下ってみた。帰路は虎韜門から鍛冶曲輪や三ノ丸の石垣を経由。

箕輪城は2007年大河ドラマ「風林火山」に長野業政とともに登場してきているので旬の城である。因みに井上靖の原作に箕輪城が登場した記憶はない。箕輪城と長野業政が印象的に描かれているのは池波正太郎の「剣の天地」である。長野業政の死後、箕輪城が武田信玄によって落とされるのは川中島の合戦以後。風林火山に箕輪落城が描かれる畏れは全くない。

昼食を安易にすませてしまったので夕食は豪勢に行こうと水沢うどんを狙って伊香保に向かったが、生憎どの店も閉まっている。とりあえず、小野上温泉センターに立ち寄ることにした。1日攻城に勤しんだおかげで汗だくになっていたのである。日帰り温泉施設の魁とも云えるこの温泉センター、私のお気に入りだが、経年劣化は如何ともしがたい。既に新施設の鍬入れ式が行われたそうだから現施設の利用はこれが最後になるかも知れない。名残を惜しんでサウナで長時間、汗を流してみた。

夕食は結局、沼田まで行って夢庵にて手軽に済ます。月夜野ICから関越道に乗り、関越トンネルを抜けた土樽PAにて車中泊。気温の面でなかなか快適な車中泊だった。





2007.7.8 Sun


未明に起床して越後川口SAまで車を進め、目覚めのコーヒーで一服、洗顔も済ます。小千谷ICで国道17号に降り(勿論、ETC深夜割引)、長岡のマクドナルドで朝マック。それから国道351号で既に長岡市に合併されてしまっている栃尾へと向かった。お目当ては大河ドラマ「風林火山」に出てきたばかりの栃尾城。上杉謙信が青年期に在城している。登城口がわからない中、見当をつけて山道を分け入っていき、可成り大回りをしてしまったが、登城口の駐車場にたどり着くことができた。雲が晴れていく気配を感じつつ、二の丸、そして本丸へとたどり着いてみると予想外に大勢の人々が集っているではないか。何らかのイベントがあったのだろう。長居はせず、びわ丸、中の丸や堀切を越えて狼煙台まで足を伸ばしてから下山した。

来た道を引き返してそのまま直進。長岡ICから北陸道に出て上越ICへ。定番のETC通勤割引である。インター近くの宇佐美ですぐに給油。栃木には敵わないものの長野県内よりは大分安い。100円の安いペットボトル飲料も手に入れて上杉謙信の居城、春日山城へと繰り出した。林泉寺とものがたり館は9時からなのでまずは城跡から攻めてみる。春日山神社の石段を登り春日山城のパンフレットをゲット。日本100名城に選定されてから作られたものであるが、これに載っている地図をたよりに攻城してみた。前回は3月の訪問で残雪が多く足を滑らせて転んだこともあって隈無く城を見て回ったわけではない。有名な謙信像前を通り、前回、足を伸ばさなかった三の丸へ。ここは、御館の乱で落命する謙信の養子、上杉三郎景虎屋敷跡である。この御館の乱は2009年の大河ドラマ「天地人」に描かれるのであろうか。三の丸前にはしっかりとした土塁が残る米蔵跡。二の丸、本丸、天守台は前回も踏破したが、その裏手の大井戸、鐘楼跡、景勝屋敷跡は今回が初めてだ。本丸に戻って毘沙門堂、直江屋敷と続くルートは記憶に残っている。じっくりと春日山城を楽しんだので、時刻は9時を回ったようだ。

少年期の謙信が預けられた林泉寺は2003年時に修復中だったため立ち寄っておらず、今回が初めて。春日山城から移築された総門は往時を今に伝える唯一の門だという。500円を支払ってまずは宝物館へ。寺の創建に関わる資料よりは謙信がらみの刀八毘沙門の軍旗、甲冑、春日山城図などの展示に大きく惹かれてしまった。更にここには上杉謙信の墓もある。後世に建てられた米沢の廟所などとは違い、臨終の地にある墓だからありがたみが全然違う。川中島合戦戦死者供養塔やおまけの堀秀治墓もしっかりチェックしておいた。

そして肝腎の名城スタンプラリー。春日山城史跡広場・ものがたり館にて捺させてもらった。試し捺しはうまくいったのに本番は左側が切れてしまい残念。今回も展示やビデオは一通り見させてもらったし、すっかり回復した青空の下、史跡広場の監物堀から東城砦まで隈無く楽しませてもらった。

次は上信越道で一気に長野市へ跳ぶ。長野ICにほど近い川中島古戦場へ。有名な一騎打ちの銅像をチェックしてから長野市立博物館の企画展「体感!川中島の戦い2007」へ。大河ドラマ関係の企画展は値段の割に内容は今ひとつのものが殆どだが、500円を取るここも例外ではない。シアターなんか、もうハイビジョンでなくては満足できないぞ。21世紀に入ってからはずっとハイビジョンで大河ドラマを楽しんでいるのだから。唯一興味を持てたのが亀治郎とGacktの舌戦!川中島だった。それでも周辺史跡マップを手に入れることができたのが収穫。早速、信玄の弟、武田信繁の菩提寺、典厩寺へと向かった。非常にできた弟、典厩信繁は山本勘助と同様、第4次川中島合戦にて討死する。典厩寺には信繁の墓の他、閻魔堂には日本一の大きさという閻魔像がある。

更に千曲川を渡った河川敷にある山本勘助墓にも足を伸ばした。2007年になって豊川市・長谷寺、北杜市・山本勘助墓屋敷(勘助初知行の地)の2箇所の墓を訪れていたが、この千曲川河川敷の墓が一番立派である。因みに山本勘助討ち死にの地は長野オリンピックスタジアムの敷地内にある。

途中のローソンで昼食を摂った後、満を持して松代城へ。風林火山イヤーにおいては海津城と呼んだ方がよいかも知れない。風林火山の原作では勘助が勝頼のために築城し、勘助が戦死する第4次川中島合戦において武田軍が兵をこめる作中で最も重要な城である。江戸期には真田10万石の城下となるため真田関連の物件が多い松代にあって当然、本丸を石垣で囲んだ復元は江戸期の松代城だが、二の丸や二の丸南門脇の土塁に築城当時の海津城を偲ぶことができそうだ。本丸の外にある管理棟にお目当てのスタンプはあったが、インクが乾き気味で何度も試しに捺した後、スタンプ帳に強く捺してみたら少しにじんでしまった。

ここまで川中島をチェックしてしまったからには上杉本陣の妻女山を外すわけにはいかない。小学生の頃からの上杉贔屓が池波正太郎の「蝶の戦記」で拍車がかかってしまっていたのだ。にもかかわらず今まで妻女山をノーチェックのままにしておいたのはお恥ずかしい限り。交互通行の信号に従って頂上へ。松代招魂社を抜けて展望台に登ると八幡原や千曲川が一望できる。勘助のきつつき戦法を見破った謙信の慧眼は将に軍神のものだ。戦いの真相には異論もあるようだが、とりあえず「風林火山」の世界ではきつつき戦法を前提としておかなくてはお話にならない。

もう一つ、「風林火山」が放映されるまで知らなかった千曲市上山田の荒砥城は今回外せない重要なスポット。第8回の「奇襲!海ノ口」のロケで使用された山城なのだ。千曲川を挟んだ対岸には村上義清の居城、葛尾城も望める。この日の放映が「最強の敵」(ドラマを観た限りでは最強の敵は信玄を2度破った村上義清ではなくお館様ご自身のように思えたが)だけに、葛尾城も攻めたい気持ちはあったが、予想を上回る天気の回復による暑さのため、体力の消耗が激しく、これは断念した。

そして再びスタンプ集めに戻る。「風林火山」とは全く時代がかぶらない真田昌幸の築城による上田城。徳川軍を二度にわたって退けたことで名城の誉れが高い城である。真田太平記のファンにとっては聖地とも云える城だ。肝腎のスタンプは南櫓の受付にはなく、上田市立博物館のみにあるという。上田遊郭に払い下げられていた物を移築したため重文指定にはなっていないが立派な木造の櫓内を一通り見て回ってから、博物館に赴いてスタンプをゲットした。これで通算8個目のスタンプ。1ヶ月平均4個となり2009年6月にコンプリートのペースとなった。博物館も一通り見た後は、けやき並木になっている二の丸堀に降りて駐車場へと向かう。この二の丸堀にはかつて上田交通の電車が走っており駅のプラットホームも残っている。私のお気に入りのスポットだ。

もう一つ足を伸ばして小諸城のスタンプを集めても良かったのだが、次週の大河ドラマで落命する板垣信方の墓と上田原古戦場碑を優先することにした。板垣延方の墓は一応、板垣神社という体裁をとっている。愛煙家の彼を偲んで煙草を供える人が後を絶たないというが、何も供えられてはいなかった。喫煙への風当たりの強さ故か、値段の高騰の故かは知るべくもない。上田原古戦場碑は川辺小隣の石久摩神社にある。

最後に帰りがけの途次にある生島足島神社に立ち寄ってみた。ここも武田信玄との因縁は強烈で、歌舞伎舞台の中には宝物館となっていて重文の起請文(レプリカではある)が、山ほど展示されている。嫡男・義信との不和により家臣に神前で臣従を誓わせる必要があったのだがこれは「風林火山」の後のお話。対上杉の勝利を祈願した重文の願文もあるがこれは「風林火山」の時代の物件だ。お守り、絵はがきを購入して帰路につく。平井寺トンネル、国道254号、142号新和田トンネルと辿れば寓居まで1時間ほどだ。家の近くで土砂降りの雨に見舞われ交差点が冠水。ちょっと回り道をして無事帰着。天気1つとってもとてもついているドライブだった。何しろ、週間予報ではずっと雨予報だったから。

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