2007.7.27 Fri

(高速バス)

フライト前日にはもちろん仕事がある。退勤時刻で職場を出れば余裕で間に合うはずだったが、会議が30分以上も長引いてしまった。最近オープンしたばかりのファミリーマートで夕食を調達して慌ててバス停へと向かう。高速バスは諏訪地域の渋滞のため始発に近いバス停だというのに10分もの遅れで到着した。遅れはどんどん累積し東京方面の渋滞情報も伝えられ22時過ぎの到着になるかと思われたが、途中で挽回することが出来、新宿到着は定刻の21:30に遅れる事、10分少々程度であった。慌てて出発したため充電しておいたノートパソコンを家においてきてしまうという大失態。

2007.7.28 Sat

新宿発5:46(山手線内回り)−品川着6:04
品川発6:08(京急本線急行)−羽田空港着6:30
東京国際空港8:55−ANA241便−釧路空港10:30
(レンタカー)


朝4時過ぎの始動、ネットカフェにて日記の書きこみと天気の確認。釧路の天気は芳しくない。曇天でも全く差し支えない陸別に赴くことにこの時点で決定。早々と羽田空港へ向かい、朝食に手まり寿しを購入。あとは出発まで読書でのんびりと過ごす。離陸の順番待ちで時間がかかり釧路到着は10分遅れ。寒いくらいの涼しさだが快適だ。レンタカーを借りるとカーナビを陸別の関寛斎記念館にセットしてすぐに出発した。予想以上の遠距離である。

陸別への途中、阿寒湖畔を通りかかったところでアイヌコタンに立ち寄っていく。23年ぶりだが、だいぶ垢抜けたように感じた。今回、Tシャツは現地調達するつもりで枚数を減らしておいたのですかさずオリジナルデザインだというTシャツとバンダナを購入してしまった。立て替えておいた10万以上の現金が入ってきているので財布の紐がやたらとゆるい。著名な作家の木彫が展示されている無料の民俗資料館も楽しんでいく。有料のアイヌ生活館はアイヌの民家の中に民俗学的物品が展示されているが、こちらも楽しませていただいた。そうこうしているうちに雨が落ちだしてきたので、あわてて阿寒湖畔エコミュージアムセンターに向かった。駐車場代はかかるが入場は無料。数は少ないけれどもマリモも見ることができる。雨はかなりの降りになってしまったが、意を決してボッケまでは足を伸ばしてみる。硫化水素の臭いが鼻をつく。湖畔にも立ってみたが当然霧で視界は開けない。

セイコーマートで昼食を調達し、陸別に向かい走行再開。土砂降りの雨の中、14時過ぎに旧陸別駅である道の駅・オーロラタウン陸別に到着。関寛斎資料館はオーロラタウン陸別の中にある。司馬遼太郎の「胡蝶の夢」の後半ではかなり大きな存在として描かれている関寛斎であるが、佐倉の順天堂記念館や徳島城などゆかりの地で関寛斎に関する展示に出会ったことは一度もない。週刊司馬遼太郎街道を行くに取り上げられているのを見てからずっといきたいと思っていた陸別の地である。72という高齢でこの地に入り開墾しこの地で自ら命を絶った関寛斎は陸別にとってもっとも大きな存在であろう。資料館の展示を関寛斎ゆかりの物品や彼の生涯における航跡、ビデオ、司馬遼太郎コーナーに至るまでじっくりと楽しむことができた。

15時を過ぎると雨がだいぶ小降りになってきたので外に出てみる。近くの広場にある関寛斎像とちほく高原鉄道ふるさと銀河線の列車が止まっている旧陸別駅のホームなどを回った後、関寛翁碑が立つユクエピラチャシへと車を走らせた。厚岸のアイヌがこの地に造営したというユクエピラチャシは国史跡。頂上部を囲む空堀がはっきりと残っている。チャシの東側は断崖になっており、城砦としての趣たっぷりだ。

この後は多少距離は伸びるが往路とは異なる白糠経由で宿泊地釧路を目指す。予約は入れていなかったが2500円のカプセルホテルにチェックイン。個室仕立てのなかなかの環境だ。夕食は釧路ラーメンを食べに出かけ、さらにカニ料理のはしごと贅沢をしてしまったが繁華街も近く至便。この時点で三連泊を決意した。

2007.7.29 Sun


(レンタカー)

朝風呂に入り、軽く朝食をいただいてから7時過ぎに出発。まずはホテル至近の幣舞橋へ。幣舞橋は北海道三名橋の一つに数えられており現在の橋は5代目で彫像や街灯など、装飾が美しい。天気予報では午前中曇りのはずだったが、朝から気持ちよい青空が広がっていた。この日は献血の予約も入れてあったのだが、mixiお城めぐりをしようコミュの全国一斉お城の日にもなっていて根室市内の二つのチャシはもちろん日本100名城に選ばれた根室半島チャシ跡群にも足を伸ばしたいと思っていたので想定外の好天はうれしい限りである。

釧路川を渡るとほど近くに国史跡のモシリヤチャシがある。おそなえ山の異名をもつこのチャシは鉄条網付きのフェンスに囲まれていて立ち入りはできないと思っていたが、裏手のフェンスの終端からは中に容易に入れるので思い切っててっぺんまで登ってきた。セグロカモメがやけに近くまで飛んできて攻撃的姿勢を示していたが、チャシの中に巣でもあったのかもしれない。春採湖畔にある鶴ヶ岱チャランケチャシも結構近くにある。砦の趣があるモシリヤチャシに比べ、こちらのチャシは祭祀場的色彩が濃いようだ。中に立ち入ってみてもさほど明瞭な遺構を確認できるわけでもないので湖の対岸からチャシの全貌を眺めるのがよいと思う。

ほどよく時間が経過したので8時に駐車場が開く和商市場へと向かった。北海道三大市場の和商市場は10年前に訪れていたが、イクラが嫌いだった当時、勝手丼には手を出さずじまい。和商市場の売りの勝手丼を食べずして三大市場を制覇したとはとてもいえないのですでに朝食を食べた身ではあったが、一番小さい100円ライスを購入して勝手丼に挑戦した。イクラ、鮭、本マグロ、ボタンエビと食べたいものだけをチョイスして計1400円。生のボタンエビなんて回転寿司ですら500円くらい取られる代物であるから決して割高ではないだろう。市場で好きなものだけ味見をできるという勝手丼はなかなか優れたシステムだと思う。さらにこの地ならではの名物、花咲ガニに毛ガニをプラスしておみやげとした。店によってだいぶ値段に違いがあるのだが、あえて冷凍物ではない3000円の花咲ガニと毛ガニを購入。財布のひもはゆるみっぱなしである。

北海の幸を楽しんでから満を持して北海道釧路赤十字血液センターへ。予約を入れておいた上に一番乗りの到着だ。今年三度目の血小板成分でCCS・5サイクルだったため多少時間がかかったが、467回目の献血も無事、終了した。処遇品のクッキーと飲料を昼食としてここからは120km以上離れている根室へとノンストップで車を走らせる。3年前にも道東の地をドライブしたが、青空の下のドライブは初めてで湿原、川、湖沼、林、牧場…何もかもが素晴らしく美しい。3年前に免停を喰らってしまった厚床も無事にスルー。スピードには十分気をつけていたが、信号が少なく道がまっすぐで走行車両が少ない北海道では1時間に60kmの計算通りに車を進めることができる。2時間少々で目的地の根室市歴史と自然の資料館に到着。

入場無料のこの資料館、心惹かれる展示が特にあるわけではなく目的は名城スタンプラリーのスタンプのゲット。本土最東端の地の根室半島チャシ跡群はスタンプラリーコンプリートを目指す上で最大の障壁となるのではあるまいか。せっかくなので近くの花咲灯台にも足を伸ばしてみた。放射状の柱状節理、花咲灯台車石は一見の価値がある。隠岐・島後の鎧岩の方が規模が大きいと思うが、こちらは近くで見ることができるという利点がある。また、展望台からはたくさんの小さな車石を眺めることができた。

スタンプゲットだけでは味気ないので実際に国の史跡に指定されている24のチャシ跡を余さずチェックしようと企てた。どこでも根室半島チャシ跡群の詳細な地図や資料を手に入れることができず心許ない状態だったが、とりあえず本土最東端の納沙布岬へ向かう。料金900円の平和の塔では提灯をいただいてしまったが、提灯蒐集の趣味はないので何とも複雑である。平和の塔からは水晶島をはじめとする歯舞諸島や国後島まで、北方領土がとてもよく見えた。私が生きているうちにロシアが返還してくれるとはとても思えないところが切ない。平和の塔からは目指す最初のチャシ、ポンモイチャシ跡らしきものも確認することができた。

最東端の地の四島のかけはし、望郷の家、最東端の碑、座礁船が大分朽ち果ててきている納沙布岬灯台、トドの剥製が鎮座する観光物産センターと各スポットを一通りまわり、エトピリカのTシャツと最東端の地到達証明書を購入してからポンモイチャシ跡へと向かう。ところが私有地の昆布干し場が立ちはだかってチャシ跡に近づけそうにない。迂回して一旦海岸まで下り、クマザサを踏み分けてやっとの思いで史跡を示す標柱にたどり着いた。最初からこの状態では先が思いやられると思ったが、このチャシが一番見つけやすく標柱に近づくことが容易だったとはこの時点では予想だにできなかった。

次のオンネモトチャシはスタンプのデザインにもなっている代表的なチャシだというのに標柱に近づくすべがない。次のチャシも崖が急でとても上ることはできず、さらに道がなくて遠望するほかないチャシが続いた。標柱の見えるところまで近づくにしても私有地に入り込む感じで心苦しさがつきまとう場所も多い。ノツカマフ1号2号チャシ跡には説明版もあったがかなりの距離を草を踏み分けて進まなくてはならないため途中で断念。

半分のチャシをチェックしたところで根室の市街地に入ったので司馬遼太郎「菜の花の沖」の主人公、高田屋嘉兵衛が建て彼の銅像があり、金刀比羅神社、あと観光案内にもサイロの写真が載っている明治公園に立ち寄っていった。

根室半島チャシ跡群の後半戦もさらに見つけにくい物件が続いた。1号から3号まで連廓式城郭のように連なるニランケウシチャシなどは路傍に近く見つけやすい部類といえるがそれでも通り過ぎてしまい戻って探す羽目になってしまった。最後に近いチャルコロフィナチャシにも説明版が認められたため意を決して草を踏み分けて近づくことにした。砂利敷きの遊歩道が整備されているにもかかわらず長年月にわたって放置されていたようで途中には高さ2mを超える蕗が生い茂っており行軍は困難を極めた。日本100名城に選ばれた城がこの状態では遠路はるばるやってきたスタンプラリー参加者に申し訳ないというもの。早急に草刈りをお願いしたいものだ。

残り2件は少し離れた落石岬にある。悪路をついて向かったニノウシチャシはなかなか風光明媚な場所だったが、最後の1件アフラモイチャシは車両進入禁止の遊歩道の遙か先。遂に標柱の視認すら果たせずに根室半島チャシ跡群めぐりを締めくくることとなった。時刻は17時を優に回っている。釧路市街をひたすら目指したが、ホテル帰着は20時近く。速攻で繁華街へと繰り出した。

2007.7.30 Mon


(レンタカー)

4時過ぎに起床、ネットで天気予報を確認したところ、太平洋側の天気が芳しくなく好天が期待できるのはオホーツク海側。世界自然遺産の知床へ長駆、向かうことにした。180kmものロングドライブとなるため朝5時にホテルを出る。中標津のセイコーマートで朝食。標津の海岸線に出ても厚い雲が晴れない。3時間かけてたどり着いた知床峠は霧の中だった。雄大な知床富士・羅臼岳の絶景を期待していただけにかなり残念。しばらく霧が晴れるのを待ったが、期待薄のため峠を下り始めると天気予報通りの青空が広がっていた。羅臼岳も姿を現していたので路傍に車を停めその雄姿を写真に収める。そして目的地の知床五湖に到着。

10年前に訪れたときは霧の中だったが今回はすばらしい快晴。10年前にはなかった展望台から一湖やオホーツク海の眺望を速攻で楽しみ、続いて遊歩道へと歩を進めた。ヒグマ出現情報のため、この日回れるのは一湖、二湖のみ。遊覧船の出発時刻の関係もあるので私にとって全く不都合はない。快晴の下なので一湖からは羅臼岳、二湖からは硫黄山を望むことができた。手軽に知床の自然を楽しめるスポットとして知床五湖は定番のコースといえるだろう。

道がなく陸伝いには行くことのできない知床岬はウトロ発の遊覧船に頼るしかない。所要3時間、料金8000円の知床岬コースの遊覧船を利用するにはかなりの覚悟が必要だが、この日の好天を天佑と考え知床岬コースに参加することにした。予約は入れていなかったが、空きのあるクルーザーに乗り込むことができた。定刻の10時より少し前に出港。各社の船舶の先陣を切っていくことになる。

予想されていたこととはいえ、乙女の涙、男の涙などの滝は逆光で写真が撮りにくい。五湖の断崖をはじめとする断崖の連なりもほとんどが逆光だ。前日の荒天で多少、海にうねりが残っており、船に弱い人だったらとても3時間もの航海には耐えられないと思うが、波照間行きの高速船で鍛えられた私には全く問題はなかった。自然の景観ばかりでなくウミウをはじめとする海鳥も近くを飛び交ったり羽を休めていたりする。この後には海上にイルカ、陸上にヒグマも現れた。鮭をはじめとする餌が豊富で狭いテリトリーの中に多くのヒグマが生息する知床は数多くの動物の存在があってこその世界遺産。流氷の冬にはまた違った魅力を見せてくれるのだろう。いつか、冬の北海道を訪れてみたいと思う。

一般人が立ち入ることのできる地の果てはカムイワッカの滝。有名な温泉の滝で硫黄分により、海の色が変わっている。このカムイワッカの温泉に入りたくて知床を訪れる人も多いが、今の時期は交通規制によりバスで訪れるしかない。そしてこの先の知床半島はクルーズで攻めるしかないのだ。ヒグマの出現スポットもあるようだが、その手前でヒグマに遭遇。さらにその先でもヒグマに出会うことができた。V字の切れ目から注ぐ硫黄の滝や海に直接注ぐカシュニの滝を始め数多くの滝を鑑賞して遂に知床岬灯台にたどり着く。この灯台は流氷で海が覆われる冬は船舶の航海がなく無用となるので無線で電源が落ちるのだという。

帰路は海岸から多少離れた航路をとるので往路とはまた違った景色を楽しめる。ハッチを開けて船首部分への立ち入りを許可していただいたので新鮮な気持ちで知床半島の絶景を楽しむことができた。3時間に及ぶ航海を終え、ウトロ港に到着。ウトロを離れる前に知床八景というオロンコ岩に登ってウトロ港を俯瞰してみた。近くのオシンコシンの滝は駐車場がいっぱいだったのでパスしてしまう。

午後は釧路市や弟子屈町は晴れ予報になっていたので、有名なビュースポットの美幌峠や摩周湖をねらう。昼食もとらずに直行したが、屈斜路湖周辺はあいにくの曇天。道の駅美幌峠にて軽く昼食をとってから展望台へと登っていった。屈斜路湖の中島こそ、よく見えたが、摩周岳は雲の中で遠望は十分にきかない状態であった。予定していた摩周湖や釧路湿原はパスして釧路市内に直行し、ネットカフェへ。撮影した写真の整理を少ししてこの日が締め切りである全国一斉お城の日の投稿を無事すます。根室市内の二つのチャシと根室半島チャシ跡群で北海道の国盗りを果たすことはできたのだろうか。後日の発表が楽しみである。ホテル帰着後は三日連続の飲み歩き。

和商市場

和商市場・勝手丼

釧路市立博物館

釧路市湿原展望台

釧路市湿原展望台より

たんちょう釧路空港

2007.7.31 Tue


新千歳空港11:15−ANA242便−東京国際空港着12:55
羽田空港発13:15(京急空港線快特)−品川着13:32
品川発13:36(山手線外回り)−新宿着13:54
(高速バス)


朝風呂、朝食後に天気予報のチェック。釧路は一日中曇天予報に変わっていた。あわよくば釧路湿原へと繰り出すつもりでいたが、期待は見事に打ち砕かれる。ゆとりを持ってホテルをチェックアウト。5250円以上の利用で想定外のマイルまでついてうれしい釧路での三連泊となった。曇天の下、向かったのは今回の旅二度目となる和商市場。二度目の勝手丼は幻のエビというブドウエビに花咲ガニ、ズワイガニもつけて具だけで1800円の大盤振る舞いだ。500円もする紫色のブドウエビはボタンエビを上回る濃厚な甘みを堪能できる。

曇天でも差し支えないスポットとして選んだのは釧路市立博物館。天気予報とは裏腹に青空がのぞき始めている。展示は湿原や北海の動植物に始まり考古学展示から近世、近代、アイヌ関係まで。特別展の炭坑関係の展示がもう少しあってもよいと思うが、合唱組曲「海鳥の歌」でなじみのあるエトピリカの剥製があったりして個人的には十分に満足のいく展示内容であった。

早々に空港に向かうつもりでいたが、想定外の青空が釧路上空にだけ広がっていたため空港に近い釧路市湿原展望台に急遽立ち寄ることにした。入場料400円の有料の展望台である。るるぶによるとパノラマ度ナンバーワンとのことだが、釧路川の流れが見える細岡展望台や高所から沼と湿原を俯瞰できるコッタロ展望台の方が雄大な釧路湿原の素晴らしさを堪能できるのではないかと思う。

混雑していてだいぶ待たされたレンタカーの返却をすませて空港に到着してみると、なんと飛行機の出発時刻を40分も間違えて覚えていて搭乗手続きはすでに終了していた。空港係員にエスコートされ機内に乗り込めたのは出発5分前。最後の最後で大いに冷や汗をかいてしまった。

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